2023 Fiscal Year Research-status Report
Development of IoT-based fruit internal quality sensors for melon and tomato during fruit growth and construction of smart cultivation system
Project/Area Number |
23K05459
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
叶 旭君 弘前大学, 農学生命科学部, 教授 (10708168)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
張 樹槐 弘前大学, 農学生命科学部, 教授 (90261429)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | IoTセンサー / 生育中内部品質計測 / スマートデバイス / 非破壊計測 / スマート農業 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、高品質なメロンとトマトの生産を目指し、安価で簡易なスマート栽培システムの構築に取り組んでいた。具体的には、以下の研究開発を進めていた。 1. 光センシングを用いたセンサの開発: 2種類の自作光センサの開発に取り組んだ。1つ目は、1450nmと940nmの2つの波長の近赤外LEDを搭載した植物の葉内含水量を計測する簡易センサで、もう一つは、950nmと900nmの2つの波長のLEDを搭載した果実の内部品質を計測するための簡易センサである。 2. センサのIoT化およびデバイスシステムの開発:市販品の小型分光器 SparkFun Triad Spectroscopy Sensor - AS7265xを使用し、M5StickCと連携させてセンサをIoT化した。これにより、18波長の分光データをリアルタイムに取得し、Google App Scriptsを用いてウェブアカウントにアップロードできるデバイスシステムを構築した。 3.生産環境と植物状態測定のIoTシステムの構築:温室向けの日光、温度、湿度、土壌水分量、CO2などの生産環境情報をリアルタイムに監視・モニタリングするIoTシステムを構築した。同時に、植物の生育状況も定期的に自動送信できる画像送信IoTシステムを構築し、植物の健康状態を遠隔から確認できるようにした。 4. IoTによる農作物の水分管理の自動化:上記3で計測した土壌水分量をリアルタイムにモニタリングしながら、灌水基準値を下回る場合には、自動的に灌水を行うIoTシステムを構築した。 以上の取り組みにより、本研究で目指している高品質なメロンとトマトのスマート栽培システムの構築に必要な主要な要素となるIoTシステムを確立することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度に予定していた主な研究内容は、おおむね順調に進展している。これまでの研究では、高品質なメロンとトマトのスマート栽培システムを構築するために必要な主要な要素であるIoTシステムがほぼ確立されている。これらの成果は、次年度以降に予定している各IoTシステムの検証実験や、簡易スマート栽培システムの統合的構築の展開に大きく寄与することが期待される。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、自作センサの改良や各IoTシステムの検証実験、簡易スマート栽培システムの統合的構築に取り組んでいく予定である。さらに、各要素IoTシステムや統合されたスマート栽培システムの実用化に向けて、地域のメロンやトマトのハウス栽培に応用研究を計画している。これらの取り組みを展開し、本研究のさらなる進展を目指す予定である。
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Causes of Carryover |
次年度の使用額が生じた理由として、いくつかの要因が挙げられる。まず、国際ジャーナルに投稿した英文論文は、掲載料などが発生しなかったため、予算に影響を与えなかった。また、研究成果を学会で発表する予定だったが、他の業務との兼ね合いで学会への出張を行わなかったため、旅費も発生しなかった。さらに、現在の実験で利用している一部のセンサが、温度の影響で正常に稼働しないことがある。その原因と対策を検討中であり、それらを判明する前に新たに購入することを見送った。次年度の使用計画としては、まず前述したセンサの改良や新規センサの購入に予算を充てる予定である。また、論文掲載料としても利用し、学会への参加費や旅費にも活用する予定である。
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