2023 Fiscal Year Research-status Report
Research to maximize the efficiency of the Greenhouse Active Solar Heat Utilization System
Project/Area Number |
23K05480
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Research Institution | National Agriculture and Food Research Organization |
Principal Investigator |
土屋 遼太 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 農村工学研究部門, 研究員 (30782205)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大橋 雄太 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 農村工学研究部門, 研究員 (40915493)
石井 雅久 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 農村工学研究部門, グループ長 (10343766)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | 太陽エネルギー / 施設園芸 / 蓄熱 / ヒートポンプ / ネットゼロエネルギーグリーンハウス(ZEG) / 地中熱 / 省エネルギー / 伝熱 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は園芸施設が栽培施設であると同時に、太陽熱蓄熱装置であるという前提に立ち実施している。特徴としては、園芸施設の床面を熱伝導性が高く土中水分蒸発による潜熱変換の生じないコンクリートを床材とすることで、園芸施設の蓄熱機能を強化していることである。今年度はアクティブ太陽熱利用システムについて、地中熱交換器を用いて構築することに取り組んだ。この際、つくば市の農研機構農村工学研究部門内に設置されていた当初利用予定だった地中熱交換器の状態を確認したところ、現在は利用が難しいことが判明したため、急遽システムの更新を行った。システム更新を行うにあたり、アクティブ太陽熱利用システムを導入する試験用パイプハウスから地中への蓄熱を行う地点までの効率的な配管の設計および地中熱交換器の枚数を決定した。地中蓄熱については、ハウスから約30 m離れた地点で1.5 mの深さに、1枚4.6平方メートルのシート状熱交換器を4枚設置し、それぞれに接続する塩ビ管にボールバルブを取り付けることで実験時に稼働させる熱交換器の枚数を調整できるように設計した。今年度は当初利用予定であった地中熱交換器の状態確認に時間がかかった関係で、上述の配管設計および施工が中心となった。また、次年度のシステム稼働試験を迅速に行えるよう、試験用パイプハウス内の環境・エネルギー利用を計測するシステムを構築した。同時に、地中への蓄熱および暖房時の熱利用のモデル化に関して文献の調査を行い、モデル構築に向けた基礎情報の収集を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今年度は、上述の通り、計画段階で使用予定であった地中熱交換システムが破損しており、本研究では利用できない状況であったことから、当初計画を変更して新たな地中熱交換システムを設置することとした。そこで、当該地中熱交換システムにおける蓄熱サイトの選定を行い、選定した地点で適切に蓄熱が行えるように熱交換器の設置面積の検討と配管設計を行った。設計完了後、必要資材を調達し、実際に蓄熱サイトへの熱交換器と配管の設置を行った。現時点で地中熱交換器の指定深さへの設置と熱交換器周りの配管まで完了しており、令和6年度初めには全体の配管は完了する予定である。また、次年度のシステム稼働試験を迅速に行えるよう、試験用パイプハウス内の環境・エネルギー利用を計測するシステムを構築した。同時に、地中への蓄熱および暖房時の熱利用のモデル化に関して文献の調査を行い、モデル構築に向けた基礎情報の収集を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
令和6年度には、熱源側の配管、水-水式ヒートポンプの設置(調達済み)を秋までに実施し、本研究で使用するアクティブ太陽熱利用システムを暖房時期までに構築する。また12月からの暖房時期においては、まず本システムの基本動作に関するデータ収集のため植栽のない状態で、日中の太陽熱のアクティブな蓄熱と夜間暖房への利用に関する熱動態とエネルギー消費、およびハウス内の環境制御状況の計測を行う。これらのデータに基づき、令和7年度以降に実施する作物をハウス内で栽培しながらのシステム試験設計を行う。また、令和6年度実施予定の試験の結果をもとに、システム設計に用いることのできる数値モデルの構築を開始する。
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Causes of Carryover |
当初は、園芸施設アクティブ太陽熱利用システムに組み込む地中熱交換器は農研機構農村工学研究部門に既設のものを利用する予定であり、初年度に必要な工事はヒートポンプの設置のみと計画していた。しかし、利用する予定だった熱交換器の利用ができず、熱交換器を新たに設置するための設計・施工が必要となった。そのため、初年度のうちにヒートポンプの設置工事を発注できなかったため、次年度使用が生じた。令和6年度に配管等の施工を完了し、ヒートポンプ設置工事の発注を行う。
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