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2023 Fiscal Year Research-status Report

好中球の活性化およびアポトーシスにおけるカルシウムシグナルとIRBITの役割

Research Project

Project/Area Number 23K05540
Research InstitutionNihon University

Principal Investigator

岡林 堅  日本大学, 生物資源科学部, 准教授 (20409072)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 成田 貴則  日本大学, 生物資源科学部, 准教授 (70453884)
Project Period (FY) 2023-04-01 – 2026-03-31
Keywords好中球 / カルシウムシグナル / ATP / ADP
Outline of Annual Research Achievements

好中球は、微生物や異物に対し、遊走、貪食、活性酸素産生、脱顆粒など状況に応じた機能を発現することで攻撃し、感染初期の生体防御機構において重要な役割を担っている。そして、好中球の活性化には、シグナル伝達において細胞内カルシウムイオン濃度の上昇が重要な役割を果たすことが知られている。ATPは細胞内では高エネルギーリン酸化合物として、ADPはその代謝産物として豊富に存在し、エネルギー代謝の中心的役割を担う。しかし、細胞外に存在するATPやADPは、様々な細胞において細胞内カルシウムイオン濃度上昇を引き起こす活性化因子として報告されている。そこで本研究では、ATP刺激によるイヌ好中球の活性酸素産生とATPおよびADP 刺激による細胞内カルシウムイオン濃度の変化について検討した。
方法として、抗凝固処理したイヌ末梢血からリンパ球分離溶液を用いて好中球を分離した。イヌ好中球の活性酸素産生は、シトクロムc還元法で測定した。また、イヌ好中球を細胞内カルシウムイオン指示薬Fura2-AMで処理し、細胞内イオン測定装置(CAF 110、日本分光)を用いて細胞内カルシウムイオン濃度を測定し、ATPおよびADP刺激による細胞内カルシウムイオン濃度の変化について分析した。
その結果、ATP刺激による用量依存的な活性酸素産生が認められた。ATPおよびADP刺激により細胞内カルシウムイオン濃度が上昇した。
得られた結果より、ATPは様々な細胞から放出され神経伝達や細胞走化性に関与することが報告されている。イヌ好中球においてもATP刺激により活性酸素産生を誘導することから、生体防御に深く関わることが示唆された。また、血小板の活性化を引き起こすADPが好中球を活性化することから、一次止血と生体防御機構には関連性があると考えられた。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

イヌから採取した好中球を用いた研究について、新規活性化因子としてATPおよびADPによる好中球活性化を確認し、細胞内情報伝達経路としてカルシウムシグナルが関与することを明確にした。この点については、計画に対し順調に進んでいる。
ATRA-HL60細胞を用いた研究については、培養環境が整わなかったことから少し遅れている。しかし、イヌ好中球で得られた知見を培養実験に応用することができることから、研究計画はおおむね順調に進展していると判断している。

Strategy for Future Research Activity

イヌ好中球で得られた新知見について、計画通りにそのシグナル伝達経路を特定し、さらに好中球の機能解析についても進めていきたい。
ATRA-HL60細胞を用いた研究については、安定した細胞調製を行い好中球様細胞としての機能確認を行うことを計画通りに進めていきたい。

Causes of Carryover

細胞培養の環境が整わなかったことから、ATRA-HL60細胞を用いた研究費用について未使用額が生じた。次年度に遅れた分の培養実験も行うことで想定した成果を得られるように研究計画を進める予定である。

  • Research Products

    (1 results)

All 2023

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] 細胞外ATPおよびADPによるイヌ好中球の活性化2023

    • Author(s)
      岡林堅; 山内隆志; 金井修一郎; 成田貴則
    • Organizer
      第41回日本獣医師会獣医学術学会年次大会(令和5年度)

URL: 

Published: 2024-12-25  

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