2023 Fiscal Year Research-status Report
ハートランドウイルスの非構造蛋白質の解析とバンダウイルス感染症の制圧にむけた研究
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23K05547
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
谷口 怜 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 准教授 (60734465)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | ハートランドウイルス / バンダウイルス / ワクチン / SFTSウイルス / 非構造蛋白質 / NSs |
Outline of Annual Research Achievements |
2023年度、ハートランドウイルス(HRTV)の持つ非構造蛋白質であるNSsの蛋白質N末端側にHiBiT配列を持つ組換えハートランドウイルス(rHRTV-NHiBiT)の性状解析を行なった。その結果、rHRTV-NHiBiTの増殖の有無はルシフェラーゼによる発光検出で可能であるが、NSs N末端にHiBiT配列を持つと、NSsのインターフェロン(IFN)経路阻害能が失われることが明らかとなった。特にIFN経路の機能性が損なわれていないA549細胞では、rHRTV-NHiBiTの増殖が著しく抑えられた。そこでN遺伝子のmRNA末端シグナルを阻害しないNSs C末端側にHiBiT配列を持つ、rHRTV-CHiBiTを3種新たに再構築した。その結果、3種中2種でウイルスレスキューに成功した。今後本ウイルスのNSs機能が失われていないか確認する予定である。NSsの機能に障害が見られない場合、本ウイルスを用いてハイスループット処理可能な抗ウイルス薬スクリーニングシステムを構築する予定である。 次にNSsに変異を持つ組換えHRTVがバンダウイルスに対するワクチンとして有効かどうかの評価をI型IFN受容体欠損マウスにおける感染実験で行なった。NSs変異導入HRTVで免疫、4週間後に野生型SFTSウイルスを接種した。その結果、NSs変異導入HRTVで免疫したマウスは全て生残、体重減少等も確認されなかった。NSs変異導入HRTVを免疫することで、バンダウイルス感染に対して防御免疫が誘導されていることが可能性が示唆された。免疫応答の詳細な解析については今後行なっていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
組換えウイルスであるrHRTV-NHiBiTのNSsの機能性が失われていることは想定外ではあったが、その後rHRTV-CHiBiTの産生に成功したため、順調であると考えている。また、NSsに変異を持つ組換えHRTVのワクチンとしての有効性の評価で良好な結果が得られたことも順調であると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度中にrHRTV-CHiBiTの機能性の確認、ハイスループット処理可能な抗ウイルス薬スクリーニングシステムを構築を目指す。また、NSsの機能解析として感染細胞あるいは感染動物臓器を用いたトランスクリプトーム解析を実施予定である。
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Causes of Carryover |
トランスクリプトーム解析を2023年度実施しなかったため、次年度使用額が発生した。2024、2025年度に当該実験を行う予定である。
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Research Products
(9 results)