2023 Fiscal Year Research-status Report
Development of new technology controing ovarian function in cows by taking advantage of transvaginal administration
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23K05551
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
遠藤 なつ美 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (40726684)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 経腟投与 / 牛 / 卵巣機能 |
Outline of Annual Research Achievements |
牛などの家畜では、繁殖障害の治療および繁殖管理の省力化を目的として、プロスタグランジンF2αや性腺刺激ホルモン放出(GnRH)、エストラジオール等の複数の注射剤を定時的に投与するプログラムが現在の主流であるが、治療費や作業負担の増加に見合う程の効果が得られないのが現状である。本研究では、その打開策として経腟での薬物投与に注目し、徐放性や溶出時間を制御した新たな徐放化ホルモン剤を開発すれば、黄体形成や卵胞発育を効果的に刺激し得る内分泌環境を作出できると着想した。実験として、持続徐放やパルス状徐放など生理的なホルモン分泌様式に匹敵する徐放パターンを作出し、その有効性をIn vivoで検証する。さらに、視床下部においてGnRHのパルス状分泌を刺激するニューロキニン3受容体作動薬などの新規ペプチドを次世代の繁殖用薬の候補として使用し、黄体賦活および卵胞発育への効果を解明することを目的とする。 研究の初年度は、牛用のプロジェステロン腟内徐放剤をヤギ用のサイズに加工して投与した場合、血液中プロジェステロン濃度が市販のヤギ用プロジェステロン腟内徐放剤と比較してどのように推移するか検証を行った。その結果、ヤギ用のサイズに加工したプロジェステロン腟内徐放剤は市販のヤギ用と比べてIn vitroでは同様のプロジェステロン徐放効率であったが、In vivoでは市販のヤギ用よりも投与2日後のプロジェステロン濃度が低く、シリコンの羽の張力の違いや腟壁に接する面積の違いが影響している可能性が考えられた。次の実験として、ホルモン剤を経腟投与する場合に体外への損失が少なく貯留可能な投与量について、ヤギおよび牛で試験を実施している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究の当初に予定していた経腟投与を行う際に有効な投与量や投与方法について、In vitroおよびIn vivoでの検証を進めることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、徐放基材の粘性を変化させるなどの実験を行い有効な基剤を明らかにすることに向けて、ヤギでの予備実験や牛での投与の準備を進めつつある。基礎データが得られた後は、青色色素あるいはホルモン剤の投与を行って、腟内での貯留性の確認や血中動態を確認する方針である。
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Causes of Carryover |
学会発表を予定していたが参加しなかったため、旅費がかからなかったことと、物品の購入が予定よりも少なかったため。
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