2023 Fiscal Year Research-status Report
Survey of reverse zoonosis of COVID-19 in wildlife
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23K05552
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
中川 敬介 岐阜大学, 応用生物科学部, 准教授 (90853250)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 新型コロナウイルス / Reverse zoonosis / 野生動物 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は新型コロナウイルスが野生動物に伝播・定着しているか否かを調査し、野生動物が本ウイルスの新たな自然宿主となり得るか否かを検討するものである。本年度は岐阜県猟友会の協力の下、野生動物(鹿、狐、イノシシ、猿、ハクビシン、アナグマ、タヌキ)の血清や糞便サンプル、気道スワブの採取を主に進めた。その結果、糞便サンプル(約400サンプル)、気道スワブ(約100サンプル)、血清(約80サンプル)を採取することが出来た。そのうち、糞便サンプル100サンプル、気道スワブサンプル50サンプルについてはRT-PCRにより新型コロナウイルス遺伝子の検出を試みたものの陽性個体は今のところ見つかっていない。今後、現在蓄積したサンプルから新型コロナウイルス遺伝子の検出を試みる予定である。一方で、まさに感染している個体からしか遺伝子は検出できないため、感染歴も検討できる血清調査も併せて検討する予定である。すなわち、実際に新型コロナウイルスを用いた中和試験を実施するとともに、それらの血清を用いた感染細胞へのウェスタンブロットを実施し、野生動物の感染歴を検討する予定である。R5年度に集まったサンプルの解析をR6年度も解析を続けるとともに、現在流行している新型コロナウイルスのS遺伝子を搭載したレンチウイルス(シュードウイルス)を作製し、鹿をはじめとする野生動物への感染可能性を実験的に示すことも検討する予定である。集めた野生動物サンプルからウイルス遺伝子が検出されないことも、重要な知見だと考えられるため、現在集まったサンプルと今後集まるサンプルも含め、解析を進めていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定していた野生動物のサンプルは集まったことに加え、当初予定していなかったコウモリのサンプルも集まりつつある。また、アブラコウモリについては岐阜県の許可のもと、生け捕りの上、血清を含めた新鮮なサンプルを採材することが出来ている。すなわち、初年度は貴重なサンプルを十分に蓄積することが出来たと考えている。たとえ、これらサンプルから新型コロナウイルス遺伝子が見つからなかったとしても、それは野生動物への新型コロナウイルスに種間伝播が起こっていない証拠になるため、その知見の重要度は高いと考えている。今後行う血清疫学に必要なサンプルも集まっていることから、R6年度はこれらサンプルをさらに解析し、野生動物への新型コロナウイルスの伝播状況を明らかにしていく予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに集まった野生動物のサンプルから新型コロナウイルス遺伝子の検出を進めるとともに、野生動物の血清から実際に新型コロナウイルスを用いた中和抗体の検出を実施する。また、新型コロナウイルス感染細胞に対する、野生動物血清を用いたウェスタンブロットを実施することで、野生動物のウイルスへの感染歴を実験的に確かに示すことを目指す。 一方、採取した野生動物サンプルからウイルス遺伝子の検出が叶わなかった場合、現在、流行している新型コロナウイルスのS遺伝子を搭載したレンチウイルス型シュードウイルスを作製し、鹿を含めた野生動物の培養細胞、あるいは鹿由来受容体蛋白質ACE2を発現した培養細胞への感染効率を定量化する。
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Causes of Carryover |
サンプルの調達が想定以上に進んだため、試薬の購入を早く進める必要があったため、科研費の前倒し請求を実施した。前倒し請求した金額により追加で試薬を購入できたものの、全ての金額を消費するまでには至らなかった。R5年度に消費しなかった金額はR6年度の科研費とともに解析費用に利用する予定である。
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