2023 Fiscal Year Research-status Report
Is phosphorylation of BRCA2 in M phase associated with tumorigenesis in dogs?
Project/Area Number |
23K05575
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
吉川 泰永 北里大学, 獣医学部, 准教授 (00552043)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | BRCA2 / リン酸化 / M期 / PLK1 / 細胞周期 / 細胞分裂 |
Outline of Annual Research Achievements |
雌イヌにおいて乳腺腫瘍の発症率は著しく高い。乳腺腫瘍を好発する品種も報告されており、遺伝的な要因が存在する。申請者らは、イヌ乳腺腫瘍発症に癌抑制遺伝子Breast cancer 2, early onset(BRCA2)の変異や発現量の低下が関係していることを示してきた。イヌBRCA2の研究を遂行する過程で、非常に保存性が高い領域(High homology region: HHR)があることを申請者は見いだし、HHRが細胞分裂を行うM期においてリン酸化されることを予備実験により確認した。 本研究ではHHRのリン酸化を介したBRCA2のM期における機能とその破綻が腫瘍発症に繋がることを解明すべく、①HHRのリン酸化を行うキナーゼを同定し、②M期におけるHHRのリン酸化サイトを同定する。次に、M期における③リン酸化HHRと相互作用するタンパク質の同定、④BRCA2のリン酸化サイト変異体の解析、⑤イヌ乳腺腫瘍サンプルにおけるHHRの変異とその影響について解析し、この領域の変異と腫瘍発症との関係を明らかにすることを目標とした。 本年度は、HHRのリン酸化を調べるために候補キナーゼであるPLK1の阻害薬を用いたリン酸化レベルの解析を行った。PLK1の阻害薬によりHHRのリン酸化レベルが低下したので、PLK1と他のM期のキナーゼがリン酸化している事が予想された。また、HHRのリン酸化サイトを解析するためにFLAGタグによる精製を試みている。精製には成功しているので、来年度はリン酸化サイトの同定に挑戦する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
HHRをリン酸化するキナーゼがPLK1である可能性が提示でき、さらにリン酸化サイトを同定するためのHHRを含むペプチドの精製法を確立でき、今後リン酸化サイトの同定が期待できるから。
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Strategy for Future Research Activity |
HHRをリン酸化するキナーゼがPLK1意外にも存在する可能性が示唆されているので、他のキナーゼの阻害剤を使用し、実験を試みる。また、HHRと相互作用するタンパク質を精製することによっても同定できる可能性があるので、これにも挑戦する。さらに精製したHHRを含むペプチドを質量分析によりリン酸化サイトを同定することも試みる。
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Causes of Carryover |
2万円程度、支出額が当初より少ないが、次年度の消耗品購入に充てる予定である。
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