2023 Fiscal Year Research-status Report
牛伝染性リンパ腫ウイルスによる体腔内脂肪組織特異的なB-1a細胞腫瘍化機構の解明
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23K05579
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Research Institution | Azabu University |
Principal Investigator |
相原 尚之 麻布大学, 獣医学部, 講師 (50821732)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村上 裕信 麻布大学, 獣医学部, 准教授 (60620929)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 牛伝染性リンパ腫ウイルス / FALC / B-1a細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、BLV感染によりB-1a細胞が選択的に腫瘍化することに着目し、牛リンパ腫の病理発生機序の解明に取り組むこととした。本研究は、B-1a細胞の増殖に必須となるBLV抗原及びサイトカインを同定することにより、B-1a細胞腫瘍化機構を解明する事を目的としている。 初年度は、全身のサイトカイン状態の評価のため、各病態ステージの牛の血清IL-5濃度をELISAにより測定した。血清IL-5濃度に病態ステージよる有意な変動は認められなかった。そこで、体腔内脂肪組織にあるリンパ組織(fat-associated lymphoid cluster、FALC)という微小環境の特異性を評価するため、FALCにおいてB-1a細胞の増殖促進サイトカインであるIL-5の産生細胞の分布を免疫染色により解析した。BLV感染牛では、陰性牛に比べIL-5陽性細胞数が増加することが明らかになった。加えて、B-1a細胞がIL-5受容体を発現していることを確認し、FALC特異的なサイトカイン環境がB-1a細胞増殖に必要であることを示唆する結果を得た。 また、腫瘍化するB-1a細胞クローンの解析のため、BCR可変領域の解析を検討した。現在リンパ腫発症牛のBCR可変領域について共通性解析を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画に従い順調に試験を遂行できた。次年度に向けた条件検討も実施できたため、おおむね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度の取り組みにより、次年度以降の解析に必要な手法が確立したことから、当初の研究計画に従い研究を推進する予定である。
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