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2023 Fiscal Year Research-status Report

エクジステロイドによる器官形成制御機構

Research Project

Project/Area Number 23K05590
Research InstitutionKobe University

Principal Investigator

影山 裕二  神戸大学, バイオシグナル総合研究センター, 准教授 (90335480)

Project Period (FY) 2023-04-01 – 2026-03-31
Keywordsショウジョウバエ / 器官形成 / 変態 / エクジソン / 細胞分化 / 細胞死
Outline of Annual Research Achievements

動物の発生においては、時期特異的な遺伝子発現制御と空間特異的な遺伝子発現制御が重要であり、細胞種特異的な空間的制御はしばしば発生段階に応じた時期特異的な制御のもとに行われる。変態は時期特異的な発生制御の例であり、ショウジョウバエではエクジソンが変態の時期を決定していることがよく知られている。一方で、エクジソンのピークは胚発生中期にも存在し、エクジソン合成酵素の変異個体は適正な器官形成の進行が阻害され、形態的な異常あるいは発生の停止が起こることが報告されている。しかしながら、器官形成におけるエクジソンの欠損が細胞レベルでどのような影響を及ぼすのかについての知見はごく限られており、胚発生期の器官形成におけるエクジソンによる時期特異的な遺伝子発現制御の役割については不明な点が多く残されている。
本研究では、エクジソンが器官形成において果たす機能を明らかにすることを目的とする。今年度は背部閉塞をモデル系に用い、当該発生現象におけるエクジソン関連遺伝子の変異体の表現型を解析した。エクジソン生合成に関与する遺伝子であるspook(spo)およびエクジソン応答性遺伝子であるpolished rice(pri)の変異体の表現型を観察したところ、spo変異体では背側部に大きな開口部が残ったまま発生が停止しており、pri変異体においても一部の個体では開口部が完全には閉鎖していないことが明らかになった。背部閉塞の進行には開口部の羊漿膜細胞の細胞死が必要であることが知られているため、TUNEL法により羊漿膜におけるアポトーシスの検出を行ったところ、いずれの変異体の羊漿膜においても顕著なアポトーシスの抑制が見られた。これらの結果は、エクジソンが羊漿膜におけるDcp-1の活性化とアポトーシスの誘導に必要であり、背部閉塞の適正な進行を制御していることを強く示唆するものである。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

研究計画に従い良順調に研究が進行している。

Strategy for Future Research Activity

研究計画に従い、胚発生におけるエクジソンの枠わりを明らかにするため、以下の研究を推進する。
・ショウジョウバエ胚発生期における羊漿膜細胞のアポトーシスについて、カスパーゼおよびカスパーゼ制御因子の挙動を解析する。
・エクジソン欠損杯では、羊漿膜細胞以外の細胞について過剰なアポトーシスが観察されるが、これらの細胞について細胞死関連因子の挙動を解析する。

Causes of Carryover

研究の進行に応じて、不要となった一部のショウジョウバエ系統を廃棄したため、系統維持に必要な消耗品の購入費用に余剰を生じた。これらについては次年度以降に行う解析に使う消耗品費として繰り越すこととした。

URL: 

Published: 2024-12-25  

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