2023 Fiscal Year Research-status Report
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23K05625
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Institute of Medical Science |
Principal Investigator |
設楽 浩志 公益財団法人東京都医学総合研究所, 基盤技術支援センター, 室長 (90321885)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | ミトコンドリアDNA / mtDNA変異 / マウス |
Outline of Annual Research Achievements |
本課題ではミトコンドリアDNA (mtDNA)が関わる生体機能や病態発症の解明のため、様々な変異型mtDNAを有するマウス系統を樹立することを目的としている。2023年度は変異型mtDNAを特定・検出する方法の開発を中心に実施した。一次スクリーニング方法として各変異型mtDNAをPCR法によって検出するために、各変異型mtDNAの配列に対応したプライマー設計、反応条件等の検討を行った。変異型mtDNA配列については病的変異として報告されている変異を主な対象とし、これらに対応するマウスmtDNA配列と比較を行い設定した。またこれらの設定を基にコントロールとなる試料作製を行った。現在のところ、計画内で対象とした一部変異型mtDNAについては検出精度が不十分であると判断されたが、複数の変異型mtDNAについては一次スクリーニング段階として検出可能な方法であることが示された。また、組織からの核酸試料の調製方法についても幾つかの方法を検討し検出精度の向上を図った。実験対象となる核遺伝子変異系統については遺伝子型判定を実施し維持を行った。実際に変異型mtDNAの一次スクリーニングとして実施したところ候補となる変異型mtDNAが検出され、さらに検証を進めている。また変異型mtDNA割合を測定する方法について、1つの分子種を対象としてその正確性に対する検証を行った。コントロール試料を用いた検討結果から、統計的に一定の正確性のある変異型mtDNA割合測定が可能であることが示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画の一部変異を除き、各変異型mtDNAを一次スクリーニングする方法を構築・実施しており、また変異型mtDNAの割合測定については検証を行い一定の有効性・正確性が示された結果が得られているため。
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Strategy for Future Research Activity |
開発した一次スクリーニングの方法による変異mtDNA検出を実施する。また、一次スクリーニングによって検出された変異mtDNA分子について特性解析を行う。さらに一次スクリーニングによって検出された変異mtDNAについて経世代的解析を行い、次世代への伝達について検証する。
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Causes of Carryover |
2023年度は変異型mtDNAの一次スクリーニング方法の開発が概ね順調に進み、条件検討に要する消耗品費が当初より節減された。未使用額は次年度の一次スクリーニングにおいて必要とする試薬・消耗品を購入する計画としている。
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