2023 Fiscal Year Research-status Report
ヒト細胞系におけるDDKキナーゼ依存的なMCM2-7ヘリカーゼの活性化機構の解明
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23K05639
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
野口 泰徳 九州大学, 薬学研究院, 助教 (60968379)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | DNA複製開始 / MCM2-7 / DDK / Cdc7 / 試験管内再構成 |
Outline of Annual Research Achievements |
MCM2-7ヘリカーゼはS期開始前までに、ヘリカーゼ装着因子によって二重鎖DNA上に装着され、Double-Hexamer (DH)を形成する。このMCM2-7 DHはヘリカーゼ活性を持たない不活性型である。S期になるとDDKキナーゼや複数のMCM2-7活性化因子によりMCM2-7 DHは活性化され、活性型ヘリカーゼであるCdc45-MCM2-7-GINS複合体が形成される。活性化反応はDDKがMCM2-7 DHをリン酸化することで開始する。その後、複数の活性化因子、Cdc45、GINSが段階的にMCM2-7に結合する。しかしながら、ヒトにおいてMCM2-7 DHがどのように活性化され、Cdc45-MCM2-7-GINS複合体となるのかはよくわかっていない。そこで、本研究ではヘリカーゼ装着因子やMCM2-7活性化因子を精製し、複製開始反応を試験管内で再構成することでMCM2-7活性化の分子機構を明らかにする。 今年度はまずヘリカーゼ装着因子とMCM2-7を精製し、MCM2-7 DHの形成を試験管内で再構成することに成功した。また、DDKやMCM2-7活性化因子であるTreslinやMTBPの精製条件を検討し、精製した。そして、精製DDKがMCM2-7をリン酸化することを確認した。また、TreslinとMTBPが直接結合することも確認した。これらのことから、精製したタンパク質はすべて活性をもつと判断した。今後は計画通りに、Cdc45を精製し、Cdc45のMCM2-7への集合反応を試験管内で再構成する。さらに変異体解析も行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
試験管内再構成に必要なほとんどのタンパク質を精製することに成功している。また、各精製タンパク質が活性をもつことを確認している。当初の計画通りに着実に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画通りに進んでいるため、今後も研究計画にしたがって研究を進める。Cdc45のMCM2-7への集合を試験管内で再構成し、さらに変異体解析を行う予定である。
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Causes of Carryover |
今年度の研究に使用したプラスチック製品、細胞培養用の培地、試薬などは所属部署で共同使用するものがほとんどであった。また、ほとんどのタンパク質発現プラスミドは分与してもらったので、遺伝子合成やプラスミド構築の費用が予定より少なくなった。これらのことにより、予定より少ない予算で研究を行うことが可能であった。次年度では、研究計画通りにリン酸化プロテオミクス解析を複数回行う予定であり、この解析に多くの予算が必要となる。また、変異体構築のために使用する酵素などが今年度以上に必要となる。
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Research Products
(2 results)