2023 Fiscal Year Annual Research Report
Toward reconstitution of in vitro translation system from gene expression
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23K05733
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Research Institution | Rikkyo University |
Principal Investigator |
鈴木 祥太 立教大学, 理学部, 助教 (00792714)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | リボソーム再構成 / 転写翻訳再構成 |
Outline of Annual Research Achievements |
生命のセントラルドグマの最終ステップであるタンパク質生合成過程「翻訳」は、未だリボソーム形成を含めた形で完全な試験管内の再構成はできていない。大腸菌のリボソームは3種のrRNAを基本骨格として約50種のリボソームタンパク質が協調的に結合して組み上げられる。この過程はリボソームタンパク質のみでなく多くの成熟化因子が関与することが報告されている。しかしながら、実質的なリボソームの形成に関与する最小構成因子を明らかにするためにはボトムアップでリボソームを再構成する必要がある。 これまでに所属研究室で開発されたセルフリーDNA連結・長鎖DNA増幅法を用いて、大腸菌ゲノムに散在する54種のリボソームタンパク質とrRNAを一つの環状DNAに集約したリボソームユニットDNAを作製している。このDNAにコードされたリボソーム因子はセルフリー転写・翻訳系により発現することができ、新規合成されたリボソームは薬剤耐性と特定遺伝子のみを認識してタンパク質合成する特徴を持たせることで野生型リボソームと区別できる。 本年度はセルフリー転写・翻訳系であるPURE systemを使い、リボソームユニットDNAからリボソームを起動する検討を進めた。まず新規合成されたリボソームを検出するレポーター系の作製と改良を行い、並行してリボソームの成熟化因子17種およびrRNA修飾因子28種をそれぞれコードするDNAライブラリーを作製した。これらを用いて新規合成されたリボソーム活性の検出を試みたが特異的なレポーター活性は検出できていない。本研究では、発現する遺伝子数および複合体を構成する因子数が多いことから、液-液相分離または油中水滴型エマルションを利用した反応場の区画化による反応効率化の必要性が浮上した。
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