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2023 Fiscal Year Research-status Report

カスパーゼ反応場に選択的な非細胞死性の基質の包括的探索

Research Project

Project/Area Number 23K05747
Research InstitutionThe University of Tokyo

Principal Investigator

篠田 夏樹  東京大学, 大学院薬学系研究科(薬学部), 助教 (30838397)

Project Period (FY) 2023-04-01 – 2026-03-31
Keywordsカスパーゼ / カスパーゼ基質 / 非細胞死性の機能 / 近接依存性標識法 / TurboID / ショウジョウバエ
Outline of Annual Research Achievements

これまでの自身の近接依存性標識法TurboIDを用いた研究から,「カスパーゼは反応場を形成することで非細胞死性の活性化及び機能の発揮を可能とする」との作業仮説を構築していた. 本研究ではカスパーゼが成す反応場の要素及び非細胞死性の機能の発揮を介在する選択的基質を同定することを目指している. 2023年度は, ショウジョウバエ実行カスパーゼDcp-1とDriceそれぞれのカスパーゼに嗜好性高く近接するタンパク質リストの中に, 自身がショウジョウバエにおける新規カスパーゼ基質であると同定していたBubR1が存在することを見出した. 具体的には, BubR1はDriceに近接していた. そこで, BubR1がDriceによって切断されやすい可能性を検討した. 具体的には, ショウジョウバエ培養細胞であるS2細胞にBubR1を発現し, 同時にDcp-1, Driceのそれぞれをノックダウンすることで, どちらのカスパーゼによって切断されやすいかを検討した. その結果, BubR1はたしかにDriceによって切断されやすいことを見出した. 以上の結果は, 反応場において近接タンパク質は非細胞死性に切断されやすい可能性を支持する. 以上の結果を, これまでに得ていたBubR1切断不全変異体ショウジョウバエ系統の表現型解析結果とまとめ, The FEBS Journal誌に論文を発表した.
以上の結果から, 近接タンパク質リストにはそれぞれのカスパーゼに嗜好性高く切断される基質がたしかに存在する可能性が支持された. そこで, 引き続き得られたリストの中から, カスパーゼの基質の探索を行った. 具体的には, S2細胞に近接タンパク質を発現し, アポトーシスを誘導することでカスパーゼによる切断可能性を検討した. しかし, これまでに検討したタンパク質については, 新規基質を発見できなかった.

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

2023年度では, 自身がショウジョウバエにおける新規カスパーゼ基質であると同定していたBubR1の, カスパーゼ近接タンパク質としての性質の解析を通して, 反応場において近接タンパク質は非細胞死性に切断されやすい可能性を支持する結果を得られた. また, これまでに得ていた結果も含めてその成果を論文として発表することができた (DOI: 10.1111/febs.16811). 一方で, 得られたリストの中から, これまでに検討したタンパク質については, 新規基質を発見できなかった. 以上の結果を総合し, 本研究課題はおおむね順調に進展していると評価した.

Strategy for Future Research Activity

2023年度の結果から, 近接タンパク質リストにはそれぞれのカスパーゼによって嗜好性高く切断される基質がたしかに存在する可能性が支持された. また, ショウジョウバエ培養細胞であるS2細胞においてDcp-1, Driceのそれぞれをノックダウンすることで, どちらのカスパーゼによって切断されやすいかを簡便に検討する実験系の構築にも成功した. そこで, 引き続き得られたリストの中から, カスパーゼの基質の探索をより範囲を拡張して実施する. 基質を同定した場合は, 構築した実験系を用いてどちらのカスパーゼによって切断されやすいかを評価する. 並行して, 既に構築した切断嗜好性を簡便に評価する実験系を応用し, 当初の研究計画で計画していたSubtiligase-MSを実施することで, カスパーゼ基質のリストを得る. 近接タンパク質リストと基質のリストを照らし合わせ, それぞれのカスパーゼによって嗜好性の高く切断される基質の包括的な同定を目指す.

Causes of Carryover

2023年度は質量分析によって既に得られていたタンパク質リストに関する実験に注力した. そのため, 当初Subtiligase-MS解析を行う予定で計上していた一部研究費の使用が抑えられた. 発生した次年度使用額は, Subtiligase-MS解析によってカスパーゼ基質リストを得るための費用として計上する.

  • Research Products

    (7 results)

All 2023

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results,  Open Access: 1 results) Presentation (6 results)

  • [Journal Article] Caspase cleaves Drosophila BubR1 to modulate spindle assembly checkpoint function and lifespan of the organism2023

    • Author(s)
      Shinoda Natsuki, Horikoshi Misuzu, Taira Yusuke, Muramoto Masaya, Hirayama Shoshiro, Murata Shigeo, Miura Masayuki
    • Journal Title

      The FEBS Journal

      Volume: 290 Pages: 4200-4223

    • DOI

      10.1111/febs.16811

    • Peer Reviewed / Open Access
  • [Presentation] カスパーゼは紡錘体チェックポイント構成因子BubR1を切断し, ショウジョウバエ個体の寿命を制限する2023

    • Author(s)
      篠田夏樹, 堀越水涼, 平雄介, 村本雅哉, 平山尚志郎, 村田茂穂, 三浦正幸
    • Organizer
      第75回日本細胞生物学会大会
  • [Presentation] Dual FRETシステムを基盤とした細胞内局所的カスパーゼ活性の解析2023

    • Author(s)
      平雄介, 篠田夏樹, 三浦正幸
    • Organizer
      第75回日本細胞生物学会大会
  • [Presentation] カスパーゼは紡錘体チェックポイント構成因子BubR1を切断し, ショウジョウバエ個体の寿命を制限する2023

    • Author(s)
      篠田夏樹, 堀越水涼, 平雄介, 村本雅哉, 平山尚志郎, 村田茂穂, 三浦正幸
    • Organizer
      第31回日本Cell Death学会学術集会
  • [Presentation] カスパーゼ7が担う細胞膜局所的活性の制御2023

    • Author(s)
      平雄介, 篠田夏樹, 三浦正幸
    • Organizer
      第31回日本Cell Death学会学術集会
  • [Presentation] カスパーゼ活性を伴うプログラム「非」細胞死とその組織サイズ制御における機能の解析2023

    • Author(s)
      山本晃平, 村本雅哉, 篠田夏樹, 三浦正幸
    • Organizer
      第31回日本Cell Death学会学術集会
  • [Presentation] プログラムされた非細胞死性カスパーゼ活性化及びその組織サイズ制御における機能の解析2023

    • Author(s)
      山本晃平, 村本雅哉, 篠田夏樹, 三浦正幸
    • Organizer
      第56回日本発生生物学会大会

URL: 

Published: 2024-12-25  

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