2023 Fiscal Year Research-status Report
The operating principle of the developmental timer that controls the timing of tissue formation
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23K05785
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
村本 哲哉 東邦大学, 理学部, 准教授 (10612575)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | ライブイメージング / 遺伝子発現振動 / 発生タイマー / 光操作 |
Outline of Annual Research Achievements |
細胞自律的に組織を構築するメカニズムやそのタイミングを制御する発生タイマーの作動原理を理解するために、細胞内分子の物理パラメータの抽出や協調的な振る舞いの操作を目指している。本研究では、新たに発見したMYB転写因子に焦点を当て、局在変動リズムを刻む仕組みや、周波数の変調が時間制御機構にもたらす影響を明らかにしていく。本年度は、多細胞組織の構築過程におけるMYB転写因子の局在変動の計測を行った。計測のために蛍光タンパク質を過剰発現させたところ、融合タンパク質の過剰発現により発生異常が生じることが分かった。そこで、CRISPR/Cas9技術を用いてノックイン細胞を作製し、内在性の分子数に限りなく近づけた形で、局在変動を計測する実験系を確立した。その結果、特定のタイミングで周期的な局在変化を開始し、その振幅や周波数が発生の進行に応じて変化することを明らかにした。また、同様に局在変動を示す転写因子であるGtaCと同時に解析することで、2つの転写因子での位相の違いや振動が確立するタイミングを明らかにした。本年度はさらに、細胞内シグナル分子の増減と転写因子の局在変動の計測を実施した。粘菌細胞では、cAMPの濃度勾配を利用した走化性により多細胞組織の形成が誘導されることが知られており、周期的に振動するcAMPシグナルが協調的な集団運動を促すと考えられている。そこで、細胞内cAMPの可視化プローブを利用することで、MYB転写因子とcAMP振動の周波数や位相について解析する実験系を構築した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究に必要となる実験系が当初の計画通り確立できた。さらにその実験系を用いた細胞内分子の物理パラメータの抽出が行われている。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き転写因子の局在変動の計測やそこから得られたデータの周波数解析を新たに行うことで、多細胞組織の構築過程における周期的局在変化を示す転写因子を1細胞レベルで解析する。
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Causes of Carryover |
顕微鏡の光路で一部不具合が生じたため、一部のイメージング解析を実施できずに未使用額が生じた。未使用額は、次年度配分額と合わせて、次年度行うイメージング解析のための経費として充てることとしたい。
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