2023 Fiscal Year Research-status Report
大規模スクリーニングで得た出芽酵母局在化RNA、MSA1 mRNA及びEGD1 mRNAの解析
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23K05869
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Research Institution | Otsuma Women's University Junior College Division |
Principal Investigator |
竹内 知子 (安東知子) 大妻女子大学短期大学部, 家政科, 教授 (20294548)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井手上 賢 熊本大学, 大学院先端科学研究部(理), 講師 (20420250)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 出芽酵母 / RNA局在 / 細胞周期 / 増殖静止期 / シャペロン |
Outline of Annual Research Achievements |
① MSA1 mRNAの局在化解析について 本研究を開始する前の準備段階として、MSA1 mRNAの局在化配列に変異を導入することで、bud-tipに局在化しないmsa1 mRNAの作成に成功していた。MSA1 mRNAの局在化配列は蛋白質をコードしている領域内にあるが、msa1 mRNAから翻訳される蛋白質のアミノ酸配列が野生型MSA1 mRNAの場合と同じになるように工夫して作成してある。本研究では、遺伝子組換えによってmsa1変異株を作成し、細胞周期や増殖静止期への移行について、msa1変異株と野生型株とを比較することで、MSA1 mRNAのbud-tipへの局在化の生理的意義を明らかにしようと考えている。遺伝子組換えによるmsa1変異株の作成には複数の段階が必要となるが、今年度は、その第一段階を進めることができた。 ② EGD1 mRNAの局在化解析について 1分子in situ hybridization法を用い、内在性のEGD1 mRNAの局在を観察した結果、ドット状の局在が細胞内に複数観察された。EGD1 mRNAがコードするEgd1タンパク質は、EGD2 mRNAがコードするEgd2と複合体を形成してシャペロンとして働くことが示唆されている。1分子in situ hybridization法を用いてEGD2 mRNAの局在を観察した結果、EGD1 mRNAと同様にドット状に局在したが、EGD1 mRNAとはほとんど共局在しないことがわかった。また、コントロールプローブとして市販されているプローブを用いて、RNA合成酵素をコードするRPO21 mRNAおよび解糖系因子をコードするTDH1, 2, 3 mRNAの局在も観察したが、これらもEGD1 mRNAとは共局在しないことがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
必要な機器や試薬を購入し、実験を進めることができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
① MSA1 mRNAの局在化解析について 遺伝子組換えの続行により、msa1変異株を完成させる。細胞周期や増殖静止期への移行について、msa1変異株と野生型株とを比較することで、MSA1 mRNAのbud-tipへの局在化の生理的意義を明らかにする。 ② EGD1 mRNAの局在化の解析について 他のグループにより、翻訳因子をコードするmRNA群が細胞内にドット状に局在することが報告されているため、1分子in situ hybridization法を用い、内在性のEGD1 mRNAと翻訳因子のmRNA群が共局在するか否かを確認する。また、遺伝子破壊株バンクから探索した、EGD1 mRNAの局在化が減少する候補株についても、1分子in situ hybridization法を用いてEGD1 mRNAの局在を観察し解析する。
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Causes of Carryover |
研究代表者は前倒し申請を行ったが、10万円単位の申請であったため、43,834円が残った。共同研究者は、実験の一部に、すでに購入済みの試薬や器具類を用いたため、77,758円の残額が生じた。残額は、令和6年度以降、試薬や器具類の購入に使用する。
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