2023 Fiscal Year Research-status Report
Brood-care strategies during claustral colony foundation by queen ants
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23K05937
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Research Institution | Tamagawa University |
Principal Investigator |
宮崎 智史 玉川大学, 農学部, 教授 (20547781)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤岡 春菜 岡山大学, 環境生命自然科学学域, 助教 (40943535)
林 良信 慶應義塾大学, 法学部(日吉), 講師 (70626803)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | 蟄居型創設 / アリ / 女王 / 育児 / 胸嚢 |
Outline of Annual Research Achievements |
トビイロケアリの蟄居型創設女王は6週間に及ぶコロニー創設の過程で、少なくとも3-6週目に、胸嚢に黄色の液体を貯蔵していることを明らかにした。そのコロニー創設の過程で創設女王の胸嚢から貯蔵液体を実験的に除去したところ、子供の数が減少した。この結果は胸嚢に貯蔵された液体の除去が育児に負の影響を及ぼすことを意味しており、胸嚢貯蔵物が幼虫の餌として利用されるとする仮説を支持するものであった。この研究成果は日本昆虫学会第84回大会・ 第68回日本応用動物昆虫学会 合同大会にて報告された。また、除去した胸嚢貯蔵物の成分分析の準備を進めている。 蟄居型創設過程を通したトランスクリプトームデータを取得することができ、それらのデータ解析も進めている。 蟄居型創設種の比較対象となる非蟄居型創設種の中から、モデル種の一つとしてヒメアギトアリを選定した。その繁殖様式を調べたところ、少なくとも飼育条件下では新女王が未受精のままメスを生産することが確かめられた。これはアリ科 (Foricidae) の雌性単為生殖としては20例目の報告例であり、ハリアリ亜科 (Ponerinae) としては2例目、ハリアリ亜科の95%の種を擁する主要なグループであるPonerini族としては初めての報告であった。この研究成果をまとめた論文はAsian Myrmecology誌に掲載された。またこの研究成果は、ヒメアギトアリは新女王を未受精のまま隔離することで非蟄居型創設を誘導できる可能性を示している。ほとんどのアリ種において人工条件下での交配が容易ではないことを考慮すると、この方法は本研究課題を推進する上で非常に有効であると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通りに研究を進められているため。
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Strategy for Future Research Activity |
トビイロケアリについてのトランスクリプトーム解析とプロテオーム解析を引き続き進める。 また、同じ蟄居型創設種であるクロオオアリ、非蟄居型創設種であるヒメアギトアリについても創設過程における組織形態学的解析、胸嚢貯蔵物の除去実験、トランスクリプトーム解析などを実施する。
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Causes of Carryover |
現在準備中のプロテオーム解析の費用を残す必要があったため。
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