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2023 Fiscal Year Research-status Report

ヒト加速領域から発現する新規lncRNA HSTR1の標的遺伝子と結合因子の同定

Research Project

Project/Area Number 23K05946
Research InstitutionShinshu University

Principal Investigator

鈴木 俊介  信州大学, 学術研究院農学系, 准教授 (30431951)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 今村 公紀  金沢大学, 医薬保健研究域医学系, 准教授 (80567743)
Project Period (FY) 2023-04-01 – 2026-03-31
KeywordsHSTR1 / lncRNA / RNA-Seq / PCDH
Outline of Annual Research Achievements

申請者はこれまでに,本研究課題の実施計画に従ってHSTR1の標的遺伝子を同定するため,HSTR1を両アレルで欠失したヒトiPS細胞株を3系統作成した。さらに,iPS細胞から神経堤細胞に分化させ純粋培養したHSTR1欠失株を用いたRNA-Seqの結果,Protocadherin (PCDH) 遺伝子クラスターの発現が乱れていることが明らかになった。
PCDH遺伝子クラスターは,神経細胞同士の選択的な接着や相互作用を制御し,正確な神経回路の形成において重要な役割を果たしている。PCDH遺伝子クラスターの発現制御機構や機能の解析は,マウスで最も研究が進んでいる。14個のPcdha遺伝子が並ぶPcdh-alphaクラスター,22個のPcdhb遺伝子が並ぶPcdh-betaクラスター,同じく22個のPcdhg遺伝子が並ぶPcdh-gammaクラスターの3つがゲノム上にタンデムに存在する。ヒトにおいても,それぞれのクラスターに含まれる遺伝子数は数個異なるが,基本的なクラスター構造は高度に保存されている。ニューロンの成熟に伴って,それぞれのクラスターから,確率論的エンハンサー・プロモーター相互作用によって選択された数個の遺伝子が発現する。それにより,単一ニューロンごとの細胞アイデンティティーの多様性が形成され,ニューロン同士の選択的な接着や相互作用を介して複雑な神経回路が正確に形成される。
従って,HSTR1がPCDH遺伝子クラスターの発現調節を介してニューロンの多様性を制御し,ヒトの脳神経回路形成に関わる可能性が示唆された。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

当初の研究計画どおり,HSTR1を両アレルで欠失したヒトiPS細胞株を3系統作成することができた。さらに,iPS細胞から神経堤細胞に分化させ純粋培養したHSTR1欠失株を用いたRNA-Seqの結果,HSTR1の標的遺伝子を明らかにすることができた。

Strategy for Future Research Activity

RNA-Seqを行ったHSTR1欠失神経堤細胞では,PCDH遺伝子クラスターの全体的な発現の乱れが検出されたが,それがニューロンにおける確率論的な発現制御機構にどのように影響するかはまだ不明である。HSTR1がPCDH遺伝子クラスターの発現調節を介してニューロンの多様性を制御し,ヒトの脳神経回路形成にどのように関わるかを解明するには,まずはHSTR1欠失株由来のニューロンではPCDH遺伝子の選択に異常があることを示す必要がある。そこで,先進ゲノム支援に応募し,野生型およびHSTR1欠失株由来のニューロンを用いたシングルセルRNA-Seqを行っていただき,単一ニューロンごとに,どのPCDH遺伝子が選択され発現しているかを解析することで,HSTR1の欠失がPCDH遺伝子クラスターの発現制御機構にどのような異常を引き起こすかを明らかにしたい。

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Published: 2024-12-25  

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