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2023 Fiscal Year Research-status Report

室内における照明とヒトの位置関係が非視覚的生理反応に与える影響

Research Project

Project/Area Number 23K05949
Research InstitutionHokkaido University

Principal Investigator

李 相逸  北海道大学, 工学研究院, 助教 (70738880)

Project Period (FY) 2023-04-01 – 2026-03-31
Keywords人工照明 / 配置 / 照度 / m-EDI / シミュレーション
Outline of Annual Research Achievements

狭い空間における照明の種類、位置、強度、照射角度などについてシミュレーションツールを用いて検討した。3Dモデリングツール(Rhinoceros)を用いて、個室型オフィス(W1100×D1100×H2000 mm)を再現した。光環境のシミュレーション解析はALFAソフトウェアを用い、座高を想定した床から1.2mの高さで測定を行った。人間の視線方向を想定し、正面向き、下向き(45度)、机上面での照度(lx)とメラノピック照度(m-EDI、lx)をシミュレーションした。以下にいくつかの主要な結果を報告する。
・照度およびm-EDIは、照明の前後位置によって大きく変わるが(最大4倍)、左右位置では大きな違いは見られなかった。また、照明の前後位置による照度およびm-EDIの差は、測定方向(視線方向)によって大きく異なることがわかった。つまり、正面向きの場合は照度とm-EDIの変化が顕著である一方、下向きではその変化が非常に少なく、照明の位置に関係なくその値が小さい。
・照度とm-EDIは照明の光束(ルーメン)に比例して変わりますが、照明の配置による追加の効果はみられなかった。
・照明の数を2つに増やした場合、照度とm-EDIは両方ともに約1.8倍に増加され、効率が低いことが示された。
・照明の照射角度について検討した結果、照明の角度を15度変えたときに照度とm-EDIの顕著な増加確認された。
・机上面の明るさは、室内全体の反射光に大きく左右されることが示された。視線方向での明るさに関しては、その方向面の壁からの反射光のみが強く影響することが確認された。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本研究では、実生活で起こりうる問題として、照明との位置関係によって光曝露の量が異なる可能性に着目している。新型コロナウイルスの流行による勤務形態の多様化と共に、個室型オフィスへの需要が増加している。この背景から、まず個室型オフィスの光環境に焦点を当てた研究を進めている。個室型オフィスに関する既存の研究やデータが不足しているため、シミュレーションツールを活用して研究を行い、その結果を基に個室型オフィスの光環境を最適化するための手がかりを得ている。また、これにより、今後予定している実験デザインの基盤が整い、研究はおおむね順調に進展していると言える。

Strategy for Future Research Activity

・実サイズの個室型オフィスを再現し、シミュレーションで得られた結果を検証する。
・空間の広さ、照明の配置、照明の種類、時間帯、季節などの要因について検討する。
・シミュレーション結果に基づいて実験条件を設定し、人間を対象とした実験を行う。
・ヒトの概日リズム、メラトニン分泌、覚醒度、グレアによる不快感および眼精疲労などの人体への影響について検討する。

Causes of Carryover

今年度はシミュレーションツールを用いた研究に注力したため、当初予定していた被験者実験は実施していない。そのため、実験に必要な機材や消耗品の購入、被験者への謝金の支出がなかった。
次年度は、被験者実験を計画しており、そのための機材や消耗品の購入、被験者謝金のための予算執行を予定している。さらに、研究成果を国内外の学会で報告することも計画しており、そのための旅費として使用する予定である。

URL: 

Published: 2024-12-25  

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