2023 Fiscal Year Research-status Report
視床下部POMCニューロン産生制御機構の解明―メタボリック症候群の予防に向けて
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23K05995
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Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
大山 恭司 東京医科大学, 医学部, 准教授 (00255423)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 宗春 東京医科大学, 医学部, 主任教授 (30313125)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | POMC / アストロサイト / Olig2 / Notch / Wnt / 視床下部 / ニューロン |
Outline of Annual Research Achievements |
成体マウスの視床下部においてPOMCニューロンが新生すること、子宮内低酸素曝露によってマウス新生仔におけるPOMCニューロン新生が亢進することを示唆するin vivoデータを得た。また「先進ゲノム」支援を受けて、Visiumによるニワトリ胚(E4-E10)視床下部の空間トランスクリプトーム解析を行なった。その結果、POMCの発現部位とWnt8bの発現部位が負の相関を示すことを見出した。この結果はWntシグナルがPOMCニューロン産生を抑制する可能性を示唆する。さらにマウス視床下部のscRNAseqデータを解析した結果、視床下部のOlig2発現アストロサイトの大多数がGFAP陰性の新規サブタイプであることを見出した。またこれらのデータを免疫染色によって確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ニワトリインフルエンザウイルス流行のため、上半期はニワトリ胚を用いた実験を実施できなかった。マウス実験は概ね順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
HIF1a/2aがProx1, POMC遺伝子発現を正に制御することが知られていることから、今後、POMCニューロン新生におけるHIF1a/2aとNotchのクロストークについて解析する予定である。具体的には、ニワトリ胚の視床下部原基をHIF1a/2aの活性化剤DMOG存在下でex vivo培養することで、Notchシグナル系およびPOMCニューロン新生へ及ぼす影響を明らかにする。同様にNotch阻害剤(DAPT)がHIF1a/2aの発現、POMCニューロン新生、そしてOlig2発現アストロサイト産生に及ぼす影響について検討する。さらに独自に得たマウス視床下部のscRNAseqデータを用いて、Olig2発現アストロサイトの遺伝子発現プロファイルをより詳細に解析する予定である。ニワトリ胚の解析結果と照合しながら、遺伝子発現プロファイルが種間で保存されているかについても検討する。そしてScRNAseqデータとVisiumデータの統合解析を目指す。
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Causes of Carryover |
ニワトリインフルエンザウイルス流行のため、2023年度の上半期はニワトリ胚を用いた実験を一切実施できなかった。そこで2024年度はより多くのニワトリ胚実験を行う予定である。
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