2023 Fiscal Year Research-status Report
Synthesis of guanidine alkaloids based on palladium catalyzed cyclization-carbonylation reactions.
Project/Area Number |
23K06034
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
加藤 恵介 東邦大学, 薬学部, 教授 (80276609)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
日下部 太一 東邦大学, 薬学部, 講師 (00600032)
高橋 圭介 東邦大学, 薬学部, 准教授 (60380854)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 環化‐カルボニル化反応 / Urupocidin / Crambescin A2 392 / Monanchoradin A |
Outline of Annual Research Achievements |
グアニジン骨格は、アルギニンやグアニンのような生体成分、ジノテフランやイミダクロプリドのような農薬、メトホルミンやシメチジン、エピナスチンのような医薬品、さらにはテトロドトキシンやサキシトキシンのような天然毒などに広く含まれる重要な構造単位である。また batzelladine 類、crambescin 類、urupocidin 類などの環状グアニジンアルカロイド類は、PKC 阻害活性、がん細胞への細胞毒性、抗HIV活性、抗菌活性、抗マラリア活性、電位依存性ナトリウムチャネル阻害活性、誘導型iNOS発現促進作用など、そのユニークな生物活性から創薬研究への応用が期待されている。このようなアルカロイドおよびそれらの類縁体を効率良く合成するための、新しい合成法を開発することは創薬研究に大きく寄与するものである。Batzelladine 類、crambescin 類、urupocidin 類などの環状グアニジンアルカロイド類の多くは、二重結合に共役したエステル部を持っており、環の構築と同時にエステル基を導入できる環化-カルボニル化反応は、これらを合成するための強力なツールとなる。これまで不飽和結合へのグアニジンの分子内環化反応は、ロジウムや金、銀などを触媒とする例が多く報告されているが、環化-カルボニル化反応は、申請者らが知る限り報告されていない。そこで2024年度は、本課題研究の基盤となるパラジウム触媒下の環化-カルボニル化反応について検討した結果、高い選択性で目的とする6員環の構築に成功した。さらに反応中、窒素原子の保護基であるBoc基の分子間マイグレーションが起こり、1回の反応で6員環と5員環が連続的に構築できることを見出した。そして、ここで開発した反応を利用することで、monanchoradin A および crambescin A2 392 の不斉全合成に成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画に基づき本年度は、1)本課題研究の基盤となるパラジウム触媒下の環化-カルボニル化反応を確立し、連続反応への展開に成功した。2)この独自に開発した反応を用いることで、monanchoradin A および crambescin A2 392 の不斉全合成に成功した。3)本反応を用いることで、urupocidin A の提唱構造に保護基がかかったものまで合成することができた。さらに合成した urupocidin A のメチルエステル、保護基がかかったurupocidin A および天然物の NMR スペクトルおよび CD スペクトルの詳細な検討から、urupocidin A の提唱構造は誤りであり、真の天然物は、そのジアステレオマーであることを確信するに至った。これを証明すべく、urupocidin A の二つのジアステレオマーの不斉全合成に着手した。
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Strategy for Future Research Activity |
1)Urupocidin A の提唱構造および申請者らが考えた修正構造を、共に不斉全合成することで、urupocidin A の真の構造を明らかにする。 2)1,5-ジイン構造を有する基質からのカスケード型環化-カルボニル化を開発する。 3)本反応を不斉触媒反応に展開し、crambescin A タイプの天然物の合成に応用する。
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Causes of Carryover |
本研究課題の主要部分であるurupocidin A の全合成研究が、最終工程の脱保護に至った。また、合成した化合物および天然物の NMR スペクトル、CD スペクトルの詳細な検討から、本研究課題は、urupocidin A の構造修正へと大きく進展している。 当初、最終工程での精製は不要であると考えていたが、実際に脱保護を検討したところ、逆相のHPLCを利用した urupocidin A の精製が必要であることがわかった。しかしながら、実際に現有のHPLCを試してみたところ、ソフト等が老朽化しており、うまく作動しないことが判明した。そこで、2年分の補助金を併せて使用することで、本研究課題遂行に必要なHPLCシステムを更新するために、1年目の使用を控えた次第である。
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