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2023 Fiscal Year Research-status Report

Development of Nrf2 modulators for enhancing chemotherapy sensitivity and reducing side effects in cancer treatment

Research Project

Project/Area Number 23K06039
Research InstitutionOsaka Medical and Pharmaceutical University

Principal Investigator

安田 大輔  大阪医科薬科大学, 薬学部, 助教 (40736097)

Project Period (FY) 2023-04-01 – 2026-03-31
KeywordsNrf2 / Keap1 / PPI阻害剤 / Nrf2活性化剤 / ピロリジン
Outline of Annual Research Achievements

本年度は、新規Nrf2活性化剤のデザインと合成を中心とした実験を行なった。我々はこれまでに、ナフタレン-1,4-ビススルホンアミドのナフタレン環 C-2 位にカルボン酸やアセトアミドなど特定の側鎖を導入することで Nrf2-Keap1 間のタンパク質間相互作用 (PPI) 阻害効果が増強されることを明らかにしている。今回は、PPI阻害剤用の強かったメチルアセトアミド・ジメチルアセトアミド誘導体の構造に着目し、構造展開として段階的に環を拡大したシクロプロピル・シクロブチル・シクロペンチル・シクロへキシルアミド、またピロリジン・ピペリジン・モルホリンなどの環状構造を有するC-2アセトアミド誘導体をデザインした。
各誘導体は、予め調製したカルボン酸誘導体と、対応するアミンを用いてEDC塩酸塩による縮合反応により合成した。収率は約30-80%程度で、二級アミド誘導体の収率が低い傾向にあったが、適切な溶媒からの再結晶により高純度の目的物群を得ることができた。
次いで、抗酸化剤応答配列にレポーターとしてルシフェラーゼを導入した HEK293 細胞株を用いて、細胞内 Nrf2 活性化効果を評価した。被検物で24時間処理したところ、シクロプロピル-シクロヘキシル体は有意な Nrf2 活性化効果を示さなかった。一方で、ピロリジン・ピペリジン・モルホリン型のアミドはコントロール群に比べ強力な細胞内 Nrf2 活性化効果を示し、その効果はピペリジン型・モルホリン型<ピロリジン型であった。また、ピロリジン型はこれまでで最も強力であった我々の Nrf2活性化剤 KMN003 (側鎖に酪酸構造を有する) と同等であり、共有結合型活性化剤の TBHQ にも匹敵していた。今後は、細胞内 Nrf2 活性化効果の強かった誘導体について p62 過剰発現がん細胞における抗がん剤作用増強効果の評価を行う。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

既存の強力な Nrf2 活性化剤 KMN003 に匹敵する 細胞内 Nrf2 活性化剤を見出すことに成功した。また合成経路についても最後の縮合段階以外で高収率な経路を見出しており、多様な誘導体を簡便に合成可能な手法を確立している。

Strategy for Future Research Activity

今後はピロリジン型アミド誘導体など細胞内 Nrf2 活性化効果の高かった誘導体について、p62 過剰発現がん細胞株、特に肝臓がん細胞株 Huh-1 に対する抗がん剤耐性解除効果 (抗がん剤作用増強効果、シナジー効果) を評価していく。また、Huh-1 に類似するが p62 を過剰発現していない、つまりNrf2が異常活性化していない肝細胞がん株 Huh-7 を対照として用い、Huh-7 においては各種 Nrf2 制御剤が細胞毒性を示さず、むしろ抗がん剤による細胞毒性からのレスキュー効果を示すかを評価する。細胞毒性の評価は WST-8 法によるものを考えている。
Huh-1 においてシナジー効果が見られ、また Huh-7 においてレスキュー効果を示せば、悪性度の高い p62 過剰発現細胞選択的に抗がん剤の効果を増強し、それ以外の細胞については細胞保護効果を示すという、本研究における目的である Nrf2 制御剤の創成を達成することになる。
また、Nrf2 制御剤の物性 (水溶性・代謝安定性) の改善を志向し、新規誘導体のデザイン・合成も継続していく。具体的には、Nrf2活性化作用の強かったピペリジン型アミド誘導体にカルボキシ基を導入し、水溶性を高め脂溶性を軽減し代謝安定性を上げる方向の誘導体化を考えている。ピペリジン環4位にカルボキシ基を有する誘導体は、光学活性を持たないため、合成・精製上の利便性も高いほか、標的部位である Keap1 DC-ドメインのアルギニン残基との相互作用が期待され、より強力な Nrf2 活性化効果を示すことが予想される。これまでに合成した Nrf2 制御剤を凌駕し、他グループの有する Nrf2 活性化剤よりも強力な誘導体の創成を目標とする。

  • Research Products

    (1 results)

All 2024

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] 側鎖にアセトアミド構造を有するナフタレン誘導体の細胞内Nrf2活性化効果2024

    • Author(s)
      安田 大輔、井上 大輔、杉本 真優、海東 和麻、大江 知之、平野 智也
    • Organizer
      日本薬学会第144年会

URL: 

Published: 2024-12-25  

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