2023 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23K06114
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
日浅 未来 岡山大学, 医歯薬学域, 講師 (30587720)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | ポリアミン / トランスポーター |
Outline of Annual Research Achievements |
生理活性アミンであるポリアミンは細胞内で機能し、細胞の増殖や分化といった多彩な生理作用を持つ一方で、細胞外に分泌されるポリアミンの生理作用や分泌メカニズムはほとんどわかっていない。本研究では細胞からのポリアミン分泌を担う小胞型ポリアミントランスポーター、VPATに注目して解析する。VPATはポリアミン分泌の出力を調節するため、VPATを指標とすることで、ポリアミンの分泌細胞やその分泌機構、分泌後の生理作用が解明できる。特にVPATが高発現している肺に注目した。予備的にVPATが肺のⅡ型肺胞上皮細胞に高発現すること、単離したⅡ型肺胞上皮細胞にはポリアミン分泌能があることを見いだしている。どのような刺激でⅡ型肺胞上皮細胞からのポリアミン分泌が促進されるか調べるため、様々なアゴニストを添加してポリアミン分泌量を測定した結果、機械受容体アゴニスト添加時にポリアミン分泌量が増加することを見出した。また、このポリアミン分泌はカルシウム依存性やバフィロマイシン感受性を示し、開口放出によるものであることが示唆された。また、サーファクタント分泌へのポリアミンの影響を測定するために、3H-コリンを用いたフォスファチジルコリン(PC)の分泌測定系を構築した。ATPやアドレナリン受容体アゴニスト、カルシウムイオノフォアといった既存のサーファクタント分泌刺激薬にてPCの分泌が確認できた。今後は機械受容体アゴニストやポリアミン添加によるPC分泌について解析していく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Ⅱ型肺胞上皮細胞からのポリアミン分泌を促進するアゴニストを見いだし、分泌機構の解析もほぼ終了した。ポリアミンの生理機能を調べるためのPC分泌測定系を構築できた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も引き続き、Ⅱ型肺胞上皮細胞からのポリアミン分泌について解析する。VPAT欠失時の影響について解析する。PC分泌へのVPATおよびポリアミンの影響について解析する。
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Causes of Carryover |
本年度は高価な抗体や試薬が必要な実験をあまり行わなかったためと考えられる。次年度は各種オルガネラマーカーの抗体購入、初代培養費用やvivo実験のための動物購入・維持費として使用する。
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