2023 Fiscal Year Research-status Report
Studies on the mechanisms of arsenic-induced vascular and muscular toxicity
Project/Area Number |
23K06137
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
姫野 誠一郎 昭和大学, 薬学部, 客員教授 (20181117)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
角 大悟 徳島文理大学, 薬学部, 教授 (30400683)
原 俊太郎 昭和大学, 薬学部, 教授 (50222229)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | ヒ素 / 筋肉 / 血管毒性 / 高血圧 / 糖尿病 |
Outline of Annual Research Achievements |
マウスへの亜ヒ酸曝露実験:ICR系6週齢雌マウスに無機ヒ素(メタ亜ヒ酸ナトリウム)を短期、あるいは長期与えた場合の影響を検討した。短期実験では、無機ヒ素を複数濃度で3日連続投与腹腔内投与した。ヒ素曝露により誘導されることが知られている肝臓のheme oxygenase 1(HO-1)やグルタチオン合成に関わるγGCSmのタンパク質発現量は投与量依存的に増加した。しかし、肝臓における酸化LDL受容体の受容体Lox-1、血管収縮因子Endothelin1、血管弛緩因子NOの合成酵素NOS3のmRNA量には有意な変化が見られず、血糖値、尿糖の変化もみられなかった。そこで、より長期間、高濃度の曝露実験として、無機ヒ素を100、200 ppm含有する飲料水をマウスに4、8週間摂取させた。尿糖、血糖値、および肝臓におけるLox-1、Endothelin1のmRNA発現量に変化はみられなかった。しかし、NOS3のmRNA発現量はヒ素の投与濃度依存的に低下した。研究代表者の姫野は、バングラデシュのヒ素汚染地域において血中NO濃度がヒ素曝露濃度依存的に低下することを発見しており、これを支持する実験データが得られた。しかし、まだmRNAレベルのみの結果であり、さらに検討を進める必要がある。 過酸化脂質の関与に関する実験:膜リン脂質中の不飽和脂肪酸量を制御する長鎖アシルCoA合成酵素ACSL4の遺伝子欠損マウスを用いた検討を開始した。まず、ヒ素と同様に、過酸化脂質産生を亢進すると考えられるパラコートやメトトレキサートを投与して肺毒性が変化するか調べたところ、ACSL4の欠損により肺毒性が抑制されることが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
初年度は、マウスを無機ヒ素に曝露する際の基本的な条件検討に時間を費やし、また、ヒ素曝露によって直ちに糖代謝に影響が出る、という知見は得られたかった。短期曝露だけでなく、長期曝露、さらには経世代的な曝露が必要と考えられるので、来年度以降にそのようなアプローチを続けたい。また、in vivoにおける筋肉の分化に対する無機ヒ素の影響については初年度に開始できなかったので、2年度以降に開始する予定である。過酸化脂質レベルを制御する酵素ACSL4遺伝子のノックアウトマウスを用いた実験については、まず酸化ストレスのポジティブコントロールとしてパラコートを投与した場合の影響を検討した。次年度以降にヒ素曝露の影響を検討する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
マウスへの無機ヒ素曝露実験では、筋肉に注目した実験を開始する。筋分化への影響を検討するため、無機ヒ素に曝露したマウスにおける筋肉の分化マーカーの発現を調べる。筋肉分化マーカーとして、MyoD、Myogenin、Myomager、Myomakerなどの検討を予定している。また、成熟マウスでは筋肉分化へのヒ素曝露の影響が検出しにくい可能性があるため、交配・妊娠・授乳期のマウスをヒ素に曝露し、仔マウスの筋肉量、筋肉分化への影響、および遅筋や速筋の筋力への影響も検討する予定である。一方、マウスをヒ素に曝露した際に、骨格筋のみならず、筋分化に伴う脂質組成が変化する可能性についても検討する。特に、過酸化脂質生成への影響を解析し、ACSL4欠損がAsの効果に及ぼす影響についても検討する。
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Causes of Carryover |
2023年度の予算はほぼ使い切ったが、基金であるため、1万円以下の繰越金が出た。次年度の物品費の一部として活用する予定である。
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[Journal Article] Arsenic exposure-related hypertension in Bangladesh and reduced circulating nitric oxide bioavailability2024
Author(s)
Khatun M, Haque N, Siddique AE, Wahed AS, Islam MS, Khan S, Jubayar AM, Sadi J, Kabir E, Shila TT, Islam Z, Sarker MK, Banna HU, Hossain S, Sumi D, Saud ZA, Barchowsky A, Himeno S, Hossain K
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Journal Title
Environmental Health Perspective
Volume: 132(4)
Pages: 47003
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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