2023 Fiscal Year Research-status Report
Roles of Ca2+-permeable TRPV6 in the regulation of intestinal epithelial barrier functions
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23K06158
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Research Institution | Kyoto Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
加藤 伸一 京都薬科大学, 薬学部, 教授 (90281500)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | TRPV6 / 腸上皮バリア / 細胞間結合タンパク質 / 炎症性腸疾患 / デキストラン硫酸ナトリウム誘起大腸炎 |
Outline of Annual Research Achievements |
Ca2+高透過性TRPV6は腸上皮に高発現していることが知られており、腸管におけるCa2+吸収を介して、全身のカルシウムホメオタシスの制御に関与していると考えられている。しかし、腸管局所の生理学的役割や疾患の病態におけるTRPV6の役割についてはほとんど明らかになっていない。本研究では、TRPV6の腸上皮バリア機能制御における役割について、TRPV6遺伝子欠損(KO)マウスを作製し検討した。 CRISPR-Cas9システムにより2~3番目の膜貫通領域を欠損したTRPV6KOマウスを作製した。デキストラン硫酸ナトリウム誘起大腸モデルを用いて検討したところ、野生型マウスと比較してTRPV6KOマウスでは、体重減少、下痢・下血の程度、大腸の短縮、組織学的傷害、さらには好中球浸潤の指標であるミエロペルオキシダーゼ活性や炎症性サイトカイン発現の増大がいずれも有意に増悪することを見出した。また、正常時の腸管透過性をFITC-デキストラン法により検討したところ、野生型マウスと比較してTRPV6KOマウスでは、腸管透過性が有意に亢進していることを観察した。さらに、正常時の大腸における上皮細胞増殖能および細胞間結合タンパク質発現を検討したところ、野生型マウスと比較してTRPV6KOマウスでは、上皮細胞増殖能が低下している傾向が、またE-cadherin、occludin、claudin-3およびclaudin-7などのアドヒレンス/タイトジャンクションタンパク質発現が有意に低下していることを認めた。 以上の結果より、TRPV6は腸上皮バリア機能の維持を介して大腸炎に対して保護的に機能していることが判明した。おそらく、TRPV6は上皮細胞増殖能や細胞間結合タンパク質発現の制御を介して上皮バリア機能の維持に関与しているものと推察される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
TRPV6KOマウスを新たに作製し、さらにTRPV6KOマウスを用いた病態解析を行い、TRPV6の大腸および上皮バリア機能制御における役割を見出すことができたことから、当初の初年度の研究計画通りに進展していると判断している。本研究成果の一部は、第97回日本薬理学会において発表している。
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Strategy for Future Research Activity |
他の大腸炎モデルの病態および大腸炎の治癒過程におけるTRPV6の役割について検討する。また、TRPV6の腸上皮バリア機能の制御メカニズムを詳細に解析するため、大腸上皮オルガノイドを作製し検討する。現在、大腸上皮オルガノイドの作製を進めている。
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Causes of Carryover |
デキストラン硫酸ナトリウム誘起大腸炎モデルの検討を中心に行ったため、他のTNBS誘起大腸炎モデルでの検討を実施しておらず、それに係る経費分がやや少なくなった。次年度に本モデルでの検討を実施する予定である。
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Research Products
(1 results)