2023 Fiscal Year Research-status Report
幼少期におけるマクロライド系抗菌薬投与による精神発達異常のメカニズム解析
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23K06159
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Research Institution | Setsunan University |
Principal Investigator |
荒木 良太 摂南大学, 薬学部, 准教授 (90710682)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | マクロライド系抗菌薬 / 腸内細菌 / 発達障害 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、マクロライド系抗菌薬であるクラリスロマイシンの幼少期における投与が精神機能の発達に及ぼす影響について、マウスを用いて腸内細菌叢に着目しながら解析している。 本年度は、クラリスロマイシン投与マウスにおいて、行動の特徴、大脳皮質前頭前野における樹状突起スパインの形態、回腸上皮への腸内細菌の侵入について解析した。 その結果、クラリスロマイシン投与マウスでは、3チャンバー試験における他マウスへの接近の減少、嗅覚馴化/脱馴化試験における他マウスのにおいへの興味の減少といった社会性の低下が見られた。一方で、過剰な毛づくろい行動やバーンズ迷路試験における特定のエリアへの執着といった固執行動は見られなかった。また、有意ではないものの、不安様行動の増加傾向と学習の遅延傾向が見られた。大脳皮質前頭前野においては、成熟した樹状突起スパインの数が減少し、未熟な突起物であるフィロポディアの数が増加していた。回腸上皮への腸内細菌の侵入は解析中であるが、今のところ、生菌が上皮内に侵入している所見は得られていない。一方で、回腸や肝臓において炎症性サイトカインのmRNA量の増加が見られることから、腸内細菌が何かしらのメカニズムで回腸上皮に悪影響を及ぼしている可能性が考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
4年計画の初年度において、当初計画していた4つの項目のうち、2つ(大脳皮質前頭前野の樹状突起スパインの解析と行動の解析)が完了したため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、引き続き、腸内細菌が回腸上皮や肝臓の炎症を誘発するメカニズムを追究するとともに、これら末梢の炎症と大脳皮質前頭前野の成熟樹状突起スパイン数の減少や社会性の低下を結びつけるメカニズムについて解析する。
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Causes of Carryover |
腸内細菌の回腸上皮への侵入の解析において、当初の予想とは異なる結果が得られたことにより、研究計画の微修正が生じたため。 次年度に引き続き、腸内細菌の回腸上皮への侵入の解析を行う。
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