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2023 Fiscal Year Research-status Report

肥後芍薬を活用した暖地適応系統かつ薬用・園芸両用高付加価値シャクヤクの開発

Research Project

Project/Area Number 23K06181
Research InstitutionKumamoto University

Principal Investigator

杉村 康司  熊本大学, 大学院生命科学研究部附属グローバル天然物科学研究センター, 准教授 (90463299)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 渡辺 高志  熊本大学, 大学院生命科学研究部附属グローバル天然物科学研究センター, 教授 (70210911)
Project Period (FY) 2023-04-01 – 2028-03-31
Keywordsシャクヤク / 薬用植物 / 栽培 / 育種 / 生薬 / 品質評価
Outline of Annual Research Achievements

生薬芍薬の国内使用量は第2位と多いにも関わらず輸入に頼っているため安定供給が危惧されており、国内栽培化に向けた検討が緊急の課題である。そこで本研究では、植物の成長促進や収量増加に有利な温暖環境を最大限に活用するため、元々寒冷地植物であるシャクヤクを九州熊本で栽培することを目的とし、2023年度は、熊本地域で長年保存されてきた肥後芍薬の基本的な特性を把握するための生育調査を実施した。
生育調査は、熊本市在住の栽培家のご協力のもと、草高、葉や花の形状や色など様々な特徴が異なる個体を網羅するように110株を選び行った。地上部の調査を行い、1)草型は、斜上タイプが約4割と最も多いこと、2)草丈は中型タイプが約6割を占めており、小型タイプや大型タイプは少ないこと、3)葉長は中型タイプが約6割を占めていることを明らかにした。花は、花色、花形、花径などを調査し、4)花色はピンク系(3タイプ)が約6割と最も多く、次いで白系の約3割、赤系(2タイプ)は少ないこと、5)花形は一重咲きが約5割を占めており、次いで金しべ咲きが約3割、翁咲きは少ないこと、6)花径は中型タイプが約5割を占めていることを明らかにした。また、地下部の調査を行い、7)根径は中型タイプが約5割を占めていること、8)根生重(保存栽培継続中を考慮し、長さ10 cm当り)は小型タイプが約6割を占めており、中型タイプと大型タイプが少ないことを明らかにした。
以上にように、九州熊本で栽培保存されてきた肥後芍薬におけるこれらの生育特性調査の結果は、薬用や園芸用に適した暖地栽培適応系統を選抜する際の選定材料として重要であると考えられる。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本年度は、肥後シャクヤクの生育調査を地上部の葉や茎、花や根などの特徴を詳しく調査し、本保存株集団の基本的な特性を把握することができた。これらの結果は、薬用や園芸用の優良系統を選抜する時に欠かすことができない最も基本的な情報であり、今後の研究の進展を左右する重要な結果であると考えられる。また、成分実験の材料となる110サンプルの粉砕と抽出を完了させ、アルビフロリンなどの成分の測定を開始することができた。以上より概ね順調に進展していると判断した。

Strategy for Future Research Activity

LC-MSを用いて肥後シャクヤクのアルビフロリンなどの成分の定量を行い、花、葉、根などの形態的特性と成分との関連性を検討する。また、栽培圃場の土壌調査を行い、本種の栽培環境の一つである土壌条件の特徴を明らかにする。さらに、薬用・観賞用の優良系統を選抜するためのデータをより充実させるため、2023年度調査の地上部、特に花に関する特性調査の結果を踏まえて、鑑賞用価値の高い特殊な花をする追加個体を選定し、開花などの特性調査と成分実験を実施する予定である。

Causes of Carryover

肥後シャクヤクのフィールド調査およびデータ整理などの研究補助のため人件費を計上していたが、研究開始初年度における各種消耗品の増大が予想されたため、研究代表者と協力者で行った。そのため、当初計画で計上していた人件費をゼロに節約することができた。

URL: 

Published: 2024-12-25  

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