2023 Fiscal Year Research-status Report
成分変異を基盤とした二次代謝産物の生合成に関する基礎研究
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23K06188
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
林 宏明 立命館大学, 薬学部, 教授 (50260998)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 甘草 / 成分変異 / グルコグリチルリチン / parvisoflavone |
Outline of Annual Research Achievements |
ウラルカンゾウの83-555-3系統はグルコグリチルリチン(GGL)を生産する83-555系統(G. uralensis)と野生型のG. uralensisが交配した系統と推定され、グリチルリチン酸(GL)とGGLの両者を生産し、雑種強勢により旺盛な生育を示す。一方、GGLのみを生産するウラルカンゾウの83-555系統の増殖はあまりよくない。これまでに、83-555-3系統の子系統から、GGLのみを生産すると思われる系統を6系統(83-555-3-12、83-555-3-26、83-555-3-28、83-555-3-41、83-555-3-50、83-555-3-54)得た。これらの屋外栽培を行なっており、GGLが高含量で生育の良い系統を選抜する予定である。83-555-2系統はGGLを生産する83-555系統(G. uralensis)と野生型のG. glabraが交配した種間雑種と推定され、GLとGGLの両者を生産し、雑種強勢により83-555系統よりも旺盛な生育を示す。すでに、83-555-2系統の子系統から、GGLのみを生産する3系統(83-555-2-4、83-555-2-S03、83-555-2-S03)を見出だしている。また、83-555-2系統から地下部の雑種特異的成分としてparvisoflavone A(PI)を単離して同定した。83-555-2系統の子系統には、PIを含有する系統と含有しない系統があり、今後、これらのフラボノイド組成も解析していく予定である。さらに83-555系統、83-555-2系統、83-555-3系統のUGT73P12遺伝子の配列を比較し、83-555-2系統と83-555-3系統に存在する野生型のUGT73P12遺伝子の配列を決定した。今後は、他のカンゾウ属植物のUGT73P12遺伝子の配列と比較する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
グリチルリチン酸(GL)とグルコグリチルリチン(GGL)の両方を生産する雑種強勢を示す系統の種子から、合計9系統のGGL生産系統を選抜して屋外栽培を進めており、概ね順調に進展している。UGT73P12遺伝子の配列に関しても、所有する多様なカンゾウ属植物のUGT73P12遺伝子の配列を解析することで、興味深い結果が得られている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、屋外栽培しているグルコグリチルリチン(GGL)生産系統の地下部を収穫し、高生産系統を選抜するとともに、得られた地下部からGGL以外のサポニンを単離同定する予定である。また、UGT73P12遺伝子の配列を、多様なカンゾウ属植物間で比較するとともに、地下部のサポニンとフラボノイドの組成、地上部のフラボノイド組成に関しても明らかにしていく予定である。
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Causes of Carryover |
端数の金額を使い切らず、次年度に消耗品費として使用することにした。
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Research Products
(1 results)