2023 Fiscal Year Research-status Report
リアルワールドデータを活用した薬剤性腎障害に対する新規予防戦略の開発
Project/Area Number |
23K06234
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
合田 光寛 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 准教授 (40585965)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石澤 啓介 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 教授 (60398013)
新村 貴博 徳島大学, 病院, 特任助教 (50910014)
相澤 風花 徳島大学, 病院, 特任助教 (80848367)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 薬剤性腎障害 / 医療ビッグデータ解析 / ドラッグリポジショニング / 病態モデル解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
薬剤性腎障害は、薬物治療の妨げになるだけではなく、患者のQuality of life (QOL)を著しく低下させるため、薬剤性腎障害のコントロールは臨床上非常に重要である。しかし、現状の薬剤性腎障害に対する対応では、完全に腎障害を抑えることはできないため、新たな予防法の開発が求められている。一方で、基礎研究では薬剤性腎障害に有効性が認められる薬剤が報告されているが、現在まで臨床応用に至っている例はない。これは、従来の基礎研究からのアプローチでは、臨床で病態増悪に関わっている責任因子を明らかにすることが困難であることを示している。そこで、本研究では、薬剤性腎障害に対して実臨床で高い効果を発揮する予防薬の創生という課題を解決するため、リアルワールドデータである医療ビッグデータ解析によって臨床で効果が認められる予防薬候補を抽出し、基礎生命科学データベースと基礎薬理学的手法を融合させた研究手法を活用して、薬剤性腎障害の真の病態責任因子の解明を目指す。 2023年度は、医療ビッグデータ解析を用いた薬剤性腎障害予防薬の抽出を行った。臨床で問題になっている薬剤性腎障害の原因薬剤として 、抗がん剤であるシスプラチン、抗菌薬であるバンコマイシンに着目して解析を行った。医薬品有害事象自発報告データベースとして、FDA に蓄積されているFAERS (FDA Adverse Event Reporting System) 、及び世界保健機構(WHO) 国際医薬品モニタリング制度加盟国から集積されている個別症例安全性報告データベースVigiBaseを解析し、シスプラチンもしくはバンコマイシン投与による有害事象の報告症例において、腎障害の報告割合を有意に減少 (報告オッズ比を低下) させる既存の併用医薬品を抽出した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2023年度は、医療ビッグデータ解析を用いた薬剤性腎障害予防薬の抽出を行った。臨床で問題になっている薬剤性腎障害の原因薬剤として 、抗がん剤であるシスプラチン、抗菌薬であるバンコマイシンに着目して解析を行った。医薬品有害事象自発報告データベースとして、FDA に蓄積されているFAERS (FDA Adverse Event Reporting System) 、及び世界保健機構(WHO) 国際医薬品モニタリング制度加盟国から集積されている個別症例安全性報告データベースVigiBaseを解析し、シスプラチンもしくはバンコマイシン投与による有害事象の報告症例において、腎障害の報告割合を有意に減少 (報告オッズ比を低下) させる既存の併用医薬品を抽出し、予防薬候補として、いくつかの医薬品を選出できた。 以上よりおおむね順調に進展していると評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度に得た研究結果より、シスプラチン誘発腎障害、もしくはバンコマイシン誘発腎障害に対して予防効果があることが示唆される予防薬候補を抽出した。 2024年度は、シスプラチン誘発腎障害、もしくはバンコマイシン誘発腎障害のモデルマウスを用いて、医療ビッグデータ解析によって抽出された予防薬候補の予防効果及びその作用機序を検証する。
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Causes of Carryover |
研究プロジェクトが予想以上に順調に進行し、予想よりも低コストで目標を達成できたため、次年度使用額が生じた。翌年度の研究費と合わせて、実験用試薬などの消耗品費として使用する予定である。
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Research Products
(34 results)
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[Presentation] ステロイドはバンコマイシン関連腎障害を予防する― ビッグデータ解析・基礎研究・臨床研究の統合による検討 ―2023
Author(s)
中馬 真幸, 合田 光寛, 座間味 義人, 濱野 裕章, 武智 研志, 石田 俊介, 坂東 貴司, 新村 貴博, 近藤 正輝, 石澤 有紀, 田崎 嘉一, 石澤 啓介
Organizer
第97回日本薬理学会年会、第44回日本臨床薬理学会学術総会
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[Presentation] フルオロキノロン系抗菌薬に関連した大動脈瘤解離には内皮障害が関与する2023
Author(s)
宮田 晃志, 石澤 有紀, 西 穂香, 糸数 柊人, 宮田 辰巳, 辻中 海斗, 近藤 正輝, 新村 貴博, 相澤 風花, 八木 健太, 川田 敬, 合田 光寛, 石澤 啓介
Organizer
第97回日本薬理学会年会、第44回日本臨床薬理学会学術総会
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[Presentation] A novel treatment for immune checkpoint inhibitor-related myocarditis.2023
Author(s)
Takahiro Niimura, Kazushi Uchida, Hiroto Unten, Manami Uno, Mizuki Kanamori, Hirofumi Hamano, Mitsuhiro Goda, Kenta Yagi, Fuka Aizawa, Yuki Izawa-Ishizawa, Yoshito Zamami, Keisuke Ishizawa
Organizer
ESMO Asia Congress 2023
Int'l Joint Research
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[Presentation] シスプラチン誘発急性腎障害に対するバルプロ酸ナトリウムの有効性の検証2023
Author(s)
吉岡 俊彦, 合田 光寛, 神田 将哉, 杉本 祐悟, 石澤 有紀, 八木 健太, 相澤 風花, 宮田 晃志, 新村 貴博, 櫻田 巧, 石澤 啓介
Organizer
第33回日本医療薬学会年会
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[Presentation] SGLT2阻害薬によるシスプラチン誘発腎障害の抑制効果2023
Author(s)
杉本 祐悟, 合田 光寛, 石田 朋奈, 加納 菜々, 神田 将哉, 吉岡 俊彦, 相澤 風花, 新村 貴博, 八木 健太, 川田 敬, 石澤 有紀, 石澤 啓介
Organizer
第62回日本薬学会・日本薬剤師会・日本病院薬剤師会 中国四国支部学術大会
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[Presentation] Atractylodes lancea Rhizome-derived Exosome-like Nanoparticles Suppress Lipopolysaccharide-induced Inflammation in Murine Microglial Cells.2023
Author(s)
Kei Kawada, Tomoaki Ishida, Shumpei Morisawa, Kohei Jobu, Youichirou Higashi, Fuka Aizawa, Kenta Yagi, Yuki Izawa‐Ishizawa, Takahiro Niimura, Shinji Abe, Mitsuhiro Goda, Keisuke Ishizawa
Organizer
81st FIP World Congress of Pharmacy and Pharmaceutical Sciences 2023
Int'l Joint Research
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[Presentation] 大規模医療情報データベース解析を基盤としたラモトリギンの皮膚障害発現リスクに影響 する薬剤の探索2023
Author(s)
坂東 寛, 合田 光寛, 新村 貴博, 新田 侑生, 中馬 真幸, 北川 航平, 相澤 風花, 八木 健太, 石澤 有紀, 櫻田 巧, 石澤 啓介
Organizer
生体機能と創薬シンポジウム2023
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[Presentation] シスプラチン誘発腎障害に対するバルプロ酸ナトリウムの予防効果2023
Author(s)
吉岡 俊彦, 合田 光寛, 杉本 祐悟, 石田 朋奈, 神田 将哉, 櫻田 巧, 相澤 風花, 新村 貴博, 八木 健太, 石澤 有紀, 石澤 啓介
Organizer
生体機能と創薬シンポジウム2023
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[Presentation] シスプラチン誘発腎障害に対するSGLT2阻害薬の影響2023
Author(s)
杉本 祐悟, 合田 光寛, 石田 朋奈, 加納 菜々, 神田 将哉, 吉岡 俊彦, 相澤 風花, 新村 貴博, 八木 健太, 石澤 有紀, 石澤 啓介
Organizer
次世代を担う若手のための創薬・医療薬理シンポジウム2023
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[Presentation] シスプラチン誘発腎障害に対するバルプロ酸ナトリウムの予防効果2023
Author(s)
吉岡 俊彦, 合田 光寛, 杉本 祐悟, 石田 朋奈, 神田 将哉, 櫻田 巧, 相澤 風花, 新村 貴博, 八木 健太, 石澤 有紀, 石澤 啓介
Organizer
次世代を担う若手のための創薬・医療薬理シンポジウム2023
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[Presentation] 大規模医療情報データベース解析を基盤としたラモトリギンの皮膚障害発現リスクに影響する薬剤の探索2023
Author(s)
坂東 寛, 合田 光寛, 新村 貴博, 新田 侑生, 中馬 真幸, 北川 航平, 相澤 風花, 八木 健太, 石澤 有紀, 櫻田 巧, 石澤 啓介
Organizer
次世代を担う若手のための創薬・医療薬理シンポジウム2023
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[Presentation] Identification of prophylactic drug for vancomycin- associated nephrotoxicity using big data analysis2023
Author(s)
Masayuki Chuma, Mitsuhiro Goda, Yoshito Zamami, Kenshi Takechi, Hirofumi Hamano, Shunsuke Ishida, Takahiro Niimura, Masateru Kondo, Takashi Bando, Yuki Izawa-Ishizawa, Yoshikazu Tasaki, Keisuke Ishizawa
Organizer
19th World Congress of Basic & Clinical Pharmacology (WCP2023)
Int'l Joint Research
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[Presentation] バルプロ酸ナトリウムのシスプラチン誘発腎障害に対する予防効果の作用機序解明2023
Author(s)
合田 光寛, 糸林 小友理, 神田 将哉, 吉岡 俊彦, 杉本 祐悟, 石田 朋奈, 相澤 風花, 新村 貴博, 八木 健太, 石澤 有紀, 櫻田 巧, 桐野 靖, 石澤 啓介
Organizer
日本薬学会第143年会
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[Presentation] 遺伝子改変マウスを用いた免疫チェックポイント阻害剤関連心筋炎の病態モデル開発2023
Author(s)
新村 貴博, 運天 拡人, 濱野 裕章, 内田 和志, 友近 七海, 宮田 晃志, 合田 光寛, 八木 健太, 相澤 風花, 石澤 有紀, 座間味 義人, 石澤 啓介
Organizer
日本薬学会第143年会
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[Presentation] PD-1ノックアウトマウスを用いた免疫チェックポイント阻害剤関連心筋炎の 新規病態モデル開発2023
Author(s)
新村 貴博, 運天 拡人, 濱野 裕章, 内田 和志, 宮田 晃志, 合田 光寛, 八木 健太, 相澤 風花, 石澤 有紀, 座間味 義人, 石澤 啓介
Organizer
第32回日本循環薬理学会