2023 Fiscal Year Research-status Report
成熟動態モデルと機械学習を融合した早産児無呼吸発作の治療最適化
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23K06265
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
辻 泰弘 日本大学, 薬学部, 教授 (20644339)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長野 伸彦 日本大学, 医学部, 准教授 (90794701)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 成熟動態 / 血中薬物濃度 / 人工知能 / 薬物動態 / 小児臨床薬理 |
Outline of Annual Research Achievements |
早産児の生理機能の発達・成熟過程は複雑で変動が大きく、薬物濃度・治療効果の予測は、簡単な数理モデルだけでは説明しきれず、個別化投与に資する新たな手法の探索が必要である。本研究では在胎期間および早産児の生理機能の成熟度を考慮した薬物動態モデルを構築する。本研究の目的は、カフェインを投与された早産児無呼吸発作患児を対象として、成熟動態モデルを構築しカフェインの血中薬物濃度および治療効果の予測を可能にすることである。また、カフェイン血中濃度に加えて、患者背景、臨床検査値および心拍・脈拍数等のバイタル変化を人工知能を応用して網羅的に評価し、早産児における無呼吸発作の発現や予後に関わるリスク因子を同定する。本研究では、無呼吸発作の予防を目的にカフェインを投与された早産児を対象に、①出生後のCYP1A2の急速な成熟がカフェイン血中濃度に及ぼす影響がどの程度か、②無呼吸発作のコントロールにおけるカフェイン血中濃度の治療濃度域はどこか、③無呼吸発作発現や予後に対するリスク因子は何か、の3つの問いに取り組む。2023年度は①の課題について実施した。患者85名におけるカフェインおよびCYP1A2の代謝物であるパラキサンチン、テオフィリンおよびテオブロミンの総濃度・タンパク結合形/非結合形濃度は高速液体クロマトグラフィー(紫外可視分光)を用いた内標準法にて同時測定系の開発に取り組んだ。具体的には、カフェイン、テオフィリン、パラキサンチン、テオブロミンの精度および正確度の再現性は確保されており、既報より低濃度で定量下限と検出限界を設定できている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
カフェイン、テオフィリン、パラキサンチンの定量に問題ないが、臨床検体の一部の検体において、テオブロミンが血清由来ピークと保持時間が重なることが確認された。特にテオブロミンが低濃度 (<1.0 mg/L)の場合、現在の測定系では分析が難しい。そこで、保持時間を血清ピークとずらすために、移動相のpHを調整することを考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
【2024-25年度の研究計画】 薬物動態パラメータ(CYP1A2の成熟度、クリアランスおよび分布容積等)、カフェインおよび代謝物血中濃度を共変量とし、治療効果に影響を及ぼす要因を決定木分析と呼ばれる機械学習法で解析する。心拍・脈拍数の経時的データは情報量が多く煩雑なため、Dynamic Time Warpingと呼ばれる時系列同士の類似度を評価する機械学習法を適用し、類似した変動を示す被験児同士をグルーピングすることでカテゴリカルデータに変換する。採用した機械学習モデルにSHapley Additive exPlanationsを適用することで、各因子の予測に対する貢献度を評価し、無呼吸発作の発現や予後に対するリスク因子を明らかにする。
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Causes of Carryover |
未変化体薬物濃度と代謝物3濃度の同時測定系を開発していたが、このうち代謝物のひとつが血清由来ピークと保持時間が重なることが確認され、この対応に時間を要しており、予定通りの進捗および支出とならなかった。すでにこの問題は解決しており、次年度には当初の使用計画に準拠した助成金の使用となる予定である。
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Research Products
(9 results)