2023 Fiscal Year Research-status Report
高感度かつ早期診断可能な薬剤性ヒト肝障害発現リスク検出システムの構築
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23K06280
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
北原 隆志 山口大学, 大学院医学系研究科, 教授 (30380934)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 肝障害性薬物 / 非肝障害性薬物 / キメラマウス / miRNA / 遺伝子変動倍率 |
Outline of Annual Research Achievements |
先行実験の検証試験を実施した。肝障害性薬物(hTOX)として8薬剤、非肝障害性薬物(non-hTOX)として、3薬剤を対象薬とした。対象薬をヒト肝細胞に高度に置換された肝臓を持つヒト肝キメラマウスに1日1回3日間経口投与した。最終投与の24時間後にキメラマウスを下大静脈から採血致死し、肝臓を採取した。得られた血液および肝臓より、RNA試料を調製し、薬物代謝・解毒に関連するmiRNAおよび遺伝子発現解析を実施した。hTOX群とnon-hTOX群の遺伝子発現量を比較し、遺伝子変動倍率(FC:fold-change)を求め、ヒートマップを作製した。miRNA及びmRNAの統合解析を行い、hTOX処理においてコントロールと比較してFCが1.5倍以上、有意に発現が上昇もしくは減少したmiRNAは209種類であった。これらのmiRNAのうち、nonTOX処理により、有意な変動を示さない遺伝子は36種類であった。さらに、8種類のhTOX薬物のうち、4種類以上で一貫した発現変動が見られるmiRNAは22種類であった。再現性の確認のため、同様の投与条件で8種類のhTOX薬物をヒト肝細胞キメラマウスに投与し、遺伝子解析した。その結果、1回目と共通する4種類のmiRNA(miR-4306、miR-340、miR-1237、miR-3149)が抽出された。これらのmiRNAとDILIとの関連は不明であるが、DILIのリスク予測マーカーとしての可能性を示唆している。今回抽出された4種類はすべて、他の研究により血中に分泌されることが確認されている。さらに、miR-340及びmiR-1237はマウス及びヒトに共通して発現するmiRNAであるのに対し、miR-4306及びmiR-3149は霊長類特異的に発現するmiRNAであることから、ヒト肝細胞由来の変動であると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
先行実験の検証試験を実施し、動物実験において再現性のあるリスク予測マーカーとなり得るmiRNAを抽出することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
発現量変動が認められた4種類のmiRNAについて、ヒト血漿でのmiRNA発現量の確認を行う。研究協力者が在籍する長崎大学病院においてヒト血漿検体の保管は進行中であることから、次の研究段階にスムーズに進める予定である。
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