2023 Fiscal Year Research-status Report
Elucidation of substrate recognition mechanism of SLC19A3 to establish the molecular basis for medical applications
Project/Area Number |
23K06283
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
山城 貴弘 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(薬学), 助教 (20826614)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
湯浅 博昭 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(薬学), 教授 (20191471)
保嶋 智也 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(薬学), 准教授 (50753555)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | トランスポーター / 蛍光 / 迅速機能評価 / 薬物間相互作用 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、チアミン(ビタミンB1)トランスポーターとして知られるSLC19A3の広範な基質認識性に着目し、SLC19A3の基質探索や、構造活性相関的観点からの基質認識要件の解明等に取り組むものである。 申請者らは、蛍光物質である利尿薬のアミロライドがSLC19A3の基質となることを見出した。蛍光基質を利用した迅速機能評価系によるSLC19A3の基質候補化合物の探索を行うため、はじめに、ヒトSLC19A3安定発現MDCKII細胞を用いて、アミロライドの輸送機能の解析を行った。その結果、ヒトSLC19A3によるアミロライドの輸送は、Na+及びCl-除去による輸送活性の低下がみられたが、Na+及びCl-に対する明確な依存性を示すものではなかった。さらに、その輸送は中性域に至適pHを有し、チアミン輸送の特徴と同様であったため、アミロライドがチアミンと共通の機構により輸送されている可能性が示唆された。また、輸送の親和性を示すミカエリス定数は63.1 μMと算出され、チアミン及びピリドキシンと比較して低親和性の特性が明らかとなった。 引き続いて、このアミロライドを利用した迅速機能評価系を用いて、SLC19A3の基質候補化合物の探索を行った。その結果、ジフェンヒドラミンやイミプラミンなどの数種の薬物が、アミロライド輸送に対して顕著な阻害作用を示した。このことから、SLC19A3が広範な薬物間相互作用に関与する可能性が考えられると共に、それらの薬物がSLC19A3の輸送基質となる可能性も示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
SLC19A3の蛍光基質として見出されたアミロライドの輸送機能の解析に取り組み、迅速機能評価系を確立することができた。さらに、その評価系を用いて、新規基質候補化合物を見出すこともできた。以上より、概ね順調であると判断できる。
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Strategy for Future Research Activity |
SLC19A3の基質候補として見出された化合物について、その輸送活性の有無を検証する。SLC19A3による輸送が認められた化合物については、詳細な輸送機能の解析を行う。また、SLC19A3のアミロライド輸送における動物種差、ピリドキシン輸送機能を特異的に消失させるアミノ酸残基置換の影響を検討する。これにより、アミロライドがSLC19A3のどちらの基質認識部位(チアミン認識部位またはピリドキシン認識部位)により輸送されるか明確にし、SLC19A3の複雑な基質認識機構の解明のための手掛かりを得る。
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