2023 Fiscal Year Research-status Report
Are afferents folded by single oligo-dendrocytes collabolative?
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23K06311
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Research Institution | Meiji University of Integrative Medicine |
Principal Investigator |
榎原 智美 明治国際医療大学, 基礎医学講座, 准教授 (20203648)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 希突起膠細胞 / 一次感覚ニューロン / 三叉神経 / ヒゲ感覚受容器 / 神経細胞内記録標識法 |
Outline of Annual Research Achievements |
感覚受容では、一次感覚ニューロンという名の神経細胞が、末梢と中枢を1つの細胞で橋渡しする。細胞本体は神経節というところにあり、1本の突起(軸索)が出てすぐ末梢と中枢に枝分かれして双方に長く伸びた先がそれぞれ末梢端の受容装置(感覚受容器)と中枢端である。中枢端は、二次ニューロンに情報を伝達する。末梢端の種々の感覚受容器で捉えられた信号は、様々なリズムを刻む。末梢側の枝では別々の細胞(シュワン細胞という)で1本ずつ包まれるのに、中枢に入ったとたんに数本ずつ別々の枝が希突起膠細胞OLCsによって束ねられ る。この束ね方に法則はあるのだろうか。信号のリズムの同じ枝が束ねられているのではないだろうか。これが本研究で明らかにすべき主課題である。 研究代表者らは近年、ラットの顔面ヒゲの生体内一次感覚ニューロンの1細胞の信号と形態を同一細胞で明らかにする手法(単一細胞・軸索内記録・標識法)を確立した。本実験課題では、敢えて複数の神経細胞の中枢軸索を単一記録・標識し、これらを束ねるOLCsを同時に可視化して束ね方の傾向を明らかにしようとしている。まだ確定的な結果を見るには至っていない。中枢で標識軸索の個別識別の壁は未だ克服できていないものの、単一細胞記録・標識で発火特性の判明している複数の標識軸索が同時に可視化されることはそれ自体で貴重な結果である。標識軸索の近辺で希突起膠細胞OLCsが偶然単一標識されているのを観ると、OLCsはさほど広範囲に枝を広げてはいないことがわかったので、標識に成功したサンプルを電顕SEMアレイトモグラフィによる解析に持ち込もうとしている。 なお、中枢軸索は信号以外の要素で束ねられている可能性もあり、ヒゲに逆行性の神経トレーサを入れて標識したり、同一種類のニューロンが蛍光を発現する遺伝子改変動物も取り入れる予定で研究を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究課題初年度は、ヒゲ毛包への逆行性神経トレーサ注入実験では三叉神経節までしか標識されず、また、単一細胞記録標識に用いる電極先端研磨装置を改良するのにも時間を要した。記録・標識はできたものの、標識される軸索が予測より多かったり、注入部位から先の軸索や終末が消失していたりして各々を識別することに予想外の苦労を強いられている。さらに、OLCsのよい標識抗体や特定終末が遺伝的に標識されている動物を入手しあぐねていた。 一方、末梢の可視化までを含めると成功率の低い超難関手法であるが、成功例を重ねることによって信号の特性から受容器が推定できるようになってきており、本研究の趣旨では末梢形態は今後は推定にとどめてよいと判断できるに至った。そこで、一足飛びに表題の仮説を確認すべく、標本の電顕アレイトモグラフによる観察を進めている。 一方、従来の常套手段である免疫組織化学を用いて共焦点顕微鏡観察を行ったり、遺伝子改変動物を用いた手法が後回しになっている。
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Strategy for Future Research Activity |
1)ラット三叉神経系で生体内単一一次感覚神経細胞・軸索内記録・標識法を行う。すなわち、受容野と発火特性の明らかな複数の軸索が同時に標識されているサンプルを作る。その際、アクティブタッチの実験系も加味し、顔面神経刺激によるヒゲバタつかせ運動時の発火特性をも記録する。情報量は多いほうが面白い。(@本学) 2)複数の標識軸索が同一の希突起膠細胞(OLC)で包まれるか否かを、電顕SEMアレイトモグラフィで確認する。 準超薄アレイトモグラフィも適宜活用する。(小池先生@関西医大、および、片岡先生@神戸大・ABiS理研に連携要請)また、FIB-SEMによる観察の必要性も視野に入れる。(京都大学電顕センターに連携要請) 3) OLCsの標識抗体を入手し、多重蛍光免疫組織化学を施して、共焦点レーザ顕微鏡にて三次元構造解析し、連携の有無を見極める。(@本学、および、@大阪大Nikonイメージングセンターに連携要請) 4)末梢からの逆行性神経トレーサバルク注入法を用いて、中枢軸索を標識する。(@本学) 5) 遺伝子改変動物を入手し、同一種類の終末を持つニューロンの軸索を可視化し、同上の検索を進める。(@本学) 1)・2)、1)・3)、3)・4)、3)・5)の組み合わせで、必要な実験をできる限り同時多発的に推進する。特に1)・2)の組み合わせが最も重要である。なお、学会発表や論文発表には従来通り、古田先生@大阪大やAhissar先生ら@イスラエルとの議論は欠かせない。
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Causes of Carryover |
標識抗体と遺伝子改変動物の入手を後回しにした。前者は可及的速やかに購入予定。後者は、遺伝子改変動物の選定後、動物実験委員会への別途動物実験計画書の申請・認可ののち、購入を進める。
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