2023 Fiscal Year Research-status Report
巧緻運動(手指の細かい動き)における脳―脊髄神経回路の新規制御機構の解明
Project/Area Number |
23K06406
|
Research Institution | Okinawa Institute of Science and Technology Graduate University |
Principal Investigator |
松浦 憲 沖縄科学技術大学院大学, 神経回路ユニット, 技術員 (10625742)
|
Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
Keywords | 巧緻運動 / 運動神経回路 |
Outline of Annual Research Achievements |
詳細な運動神経回路の同定とその制御機構の解明は、脳卒中や脊髄損傷、あるいは筋萎縮性側索硬化症(ALS)、パーキンソン病を始めとした運動機能障害に対する治療法の開発において重要な情報となる。脳―脊髄回路においては、下流の脊髄の神経回路は、我々のグループの仕事を始め多くの知見が明らかになっているが、その上流の制御回路に関しては良く分かっていない。本研究では、巧緻運動(手先の精密な動き)に重要な、脳から脊髄へと投射する主要な下行性神経回路の内の一つ、大脳皮質―脊髄路が、どのような上流神経回路に制御されているのかマウスを使用して明らかにすることを目的とする。 本研究では、皮質脊髄路上流の神経回路を同定し、その巧緻運動制御のメカニズムを解明するために以下の三つの項目を推進する。1)皮質脊髄路ニューロン(CSN)に投射する上流のニューロン(Pre-CSN)の解剖学的同定。2)巧緻運動時のPre-CSNの神経活動パターン測定。3)光遺伝学的手法を用いたPre-CSNの神経活動制御による、CSN神経活動パターンおよび巧緻運動パターンの変化の解析。 当該年度の成果としては、1)Pre-CSNの解剖学的同定は、ほぼ目的は達成できた。2)は巧緻運動中のある特定大脳皮質層に特異的な神経活動パターンの取得など、順調に進んでいる。3)はようやく光遺伝学システムのセットアップが済んだ所である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
個々の結果では予想と違うものや解釈が難しいもの、また技術的に難しい問題にぶつかることもあるが、全体としては概ね計画通りに進んでいるといえる。
|
Strategy for Future Research Activity |
これまで通り、引き続き研究目的達成のために実験と解析を進めていく。
|
Causes of Carryover |
当該年度予定していたトランスジェニックマウスの取得にかかる費用などが、共同研究先からの入手などにより浮いたため、翌年度消耗品等購入のために予算を持ち越す。 当該年度に予定していた、打ち合わせ・実験等の旅費を翌年度に持ち越す。
|