2023 Fiscal Year Research-status Report
リン酸化によるp62の動態調節機構とその生理機能の解明
Project/Area Number |
23K06415
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
一村 義信 順天堂大学, 医学部, 先任准教授 (80400993)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 選択的オートファジー / p62 / KEAP1-NRF2 / 液-液相分離 / ULK1 / リン酸化 / 脱リン酸化 / ホスファターゼ |
Outline of Annual Research Achievements |
p62は選択的オートファジーにおける受容体タンパク質として重要な役割を果たすとともに、ユビキチン化タンパク質と相互作用することにより、液-液相分離を介してp62bodyと呼ばれる液滴を形成する。p62bodyは、選択的オートファジーにより分解されることで細胞内のプロテオスタシスに寄与し、KEAP1を隔離することでKEAP1-NRF2を介したストレス応答を制御している。これまでの研究で、p62のKIR(KEAP1-interacting region)の349番目のセリン残基がリン酸化されると、p62とKEAP1の相互作用が促進され、KEAP1がp62bodyに隔離されることで、NRF2が活性化されることが示されている。一方、p62リン酸化の制御機構や生理的意義は不明なままであり、本研究課題ではそれらの解明を目的としている。今年度は、ULK1がp62の349番目のセリン残基をリン酸化し、NRF2の活性化を仲介するキナーゼであること。細胞内でULK1はp62bodyに局在し、p62をリン酸化すること。ULK1がp62のリン酸化を促進する結果、KEAP1がp62body内に保持され、NRF2が活性化されること。さらに、p62の擬似リン酸化体 (p62S351E)を発現するマウスは、p62の持続的リン酸化に伴うNRF2の過剰活性化により、食道や前胃に過角化を生じ、摂食障害と脱水による成長遅延を示すことを報告した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ULK1がp62顆粒に含まれるp62のSer349を標的とする責任キナーゼであることを報告した。プロテインホスファターゼ2 がp62の脱リン酸化に関与することを明らかにしており、分子レベルでの解析を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
ホスファターゼを介したp62の脱リン酸化の制御機構について、ホスファターゼの調節サブユニットの細胞内局在解析、および調節サブユニットのノックアウト株を作成し検証を進める予定である。
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