2023 Fiscal Year Research-status Report
Astroblastomaにおける分子遺伝学的多様性と臨床病理学的特徴の関連を解明する
Project/Area Number |
23K06421
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
信澤 純人 群馬大学, 大学院医学系研究科, 准教授 (80635318)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 脳腫瘍 / astroblastoma / MN1 / EWSR1 / BEND2 / chromothripsis |
Outline of Annual Research Achievements |
Astroblastoma (星芽腫)は、診断が困難な稀な原発性脳腫瘍の一つである。近年astroblastomaにMN1融合遺伝子が発見されたことを受け、2021年に改定されたWHO分類では同遺伝子異常を中心にastroblastomaの定義の再整理が行われたが、MN1遺伝子、およびその融合パートナー遺伝子に関しての生物学的・臨床病理学的意義に関する情報は乏しい。更に、最近ではPATZ1融合遺伝子やZFTA融合遺伝子を有する症例群も報告されている。本研究では、astroblastomaを病理組織学的検索、および次世代シークエンサーなどを用いた網羅的検索により多角的に解析し、生物学的理解を深めることにより、MN1遺伝子異常を中心とした現行の亜分類の妥当性を検討し、異なる分子遺伝学的背景を有する亜群の臨床病理学的な輪郭を明確にしていく。 当該年度では、数例の新規症例が収集でき、それらを含めた未報告例すべてに対して病理組織学的解析、BEND2融合遺伝子解析、およびDNAメチル化アレイ解析を行った。DNAメチル化アレイ解析によって得られたデータを、ドイツがん研究センター(DKFZ)のDNA methylation-based classification site (https://www.molecularneuropathology.org/mnp)で公開されているウェブツール(DKFZ classifier)にて解析し、既存の腫瘍型との比較を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
対象となる症例の病理組織学的検索は、当初の研究計画通り進んでいるが、分子遺伝学的解析の一部が進展していない。
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Strategy for Future Research Activity |
対象となる症例をさらに収集し、各症例の組織像、免疫表現型、および臨床的事項を確認し、比較検討する。収集済みの症例すべてに対してDNAメチル化アレイ解析が終了したため、今後WEB上に公開されている比較対象となる腫瘍のデータと併せたクラスター解析を行う。
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Causes of Carryover |
令和5年度内に発注した物品(3518円)が、納期が遅れたために令和5年度内に納品とならなかったため。
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Research Products
(2 results)
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[Presentation] 全ゲノムシークエンスによる星芽腫の遺伝子異常と進展様式の解明2023
Author(s)
山本 諒, 中島 拓真, 杉原 由利子, 舟越 勇介, 矢島 寛久, 立石 健祐, 鈴木 智成, 齋藤 竜太, 成田 善孝, 信澤 純人, 鈴木 啓道
Organizer
日本癌学会
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