2023 Fiscal Year Research-status Report
腫瘍組織でのmRNA分解機構関連蛋白の発現と局在の解明
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23K06431
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Research Institution | St. Luke's International University |
Principal Investigator |
鹿股 直樹 聖路加国際大学, 聖路加国際病院, 部長 (60263373)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | mRNA分解機構関連 / クリニカルシークエンス / 免疫染色 |
Outline of Annual Research Achievements |
学内での倫理審査終了後に,クリニカルシークエンス(OncoGuide NCCオンコパネルシステム,FoundationOne CDx がんゲノムプロファイル)が施行され,遺伝子パネル検査の情報が得られている悪性腫瘍症例から,ドライバー変異が,ナンセンス変異,あるいは終止コドンが出現するフレームシフト変異であると判断される症例群,すなわち,mRNA分解機構が活性化されていると推定される症例を5例抽出した(TP53 R209fs*6, TP53 R342*, PTEN Q245*, TP53 Q331*およびCDH1 N613fs*19, BAP1 W52*)。十分量の腫瘍組織と非腫瘍組織が含まれていることをHE標本で確認した後に,mRNA分解機構関連蛋白である eRF1, eRF3, Upf1, リン酸化Upf1(ser 1107およびser 1127の2種類), Upf2, Upf3, SMG1のホルマリン固定パラフィン包埋検体での,免疫染色の条件設定を行った。基本的には,抗体希釈濃度(最終的には1~2μg/MLに収束した),抗原賦活条件(クエン酸バッファーあるいはEDTAバッファーあるいは賦活なし)の組み合わせでの至適条件を探った。全てのマーカーにおいて適切と思われる条件設定が可能であった。このうち,eRF1, Upf1, リン酸化Upf1(ser 1107およびser 1127の2種類), Upf2, Upf3, SMG1は,腫瘍細胞での陽性所見は確認できたものの,腫瘍細胞と非腫瘍細胞との発現にほとんど差がないか,比較的小さな差に留まるものであった。一方で,eRF3発現は,癌細胞と周囲の非腫瘍組織では差が大きいものであった。eRF3がmRNA分解機構の活性化マーカーとしてもっとも興味が持たれる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定していた全てのマーカーでの免疫染色条件設定が可能であったため。
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Strategy for Future Research Activity |
今回,設定できた条件で,種々の遺伝子変異のみられる症例を40~50例程度を目標に8つのマーカーの免疫染色を施行し,その発現状況を分析し,有用性を探る。 また,乳腺症例においては,針生検検体などで,他のマーカーとの組み合わせなども念頭に,実践的な診断に有用な方法を探索する。
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Causes of Carryover |
免疫染色条件設定が順調にすすみ,試薬購入代金が想定よりも低くすますことができた。いまだ,統計解析を施行する段階にはないため,PC購入は先送りした。
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Research Products
(5 results)