2023 Fiscal Year Research-status Report
デジタルパソロジーとAIを用いた肺癌細胞の3次元的な進展メカニズムの解明
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23K06441
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
門田 球一 香川大学, 医学部, 教授 (70448356)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 肺癌 / 進展 |
Outline of Annual Research Achievements |
申請者らは肺癌細胞のSTASを高悪性度の進展形式として提唱し、現在ではSTASが臨床的な予後不良因子として認識されている。しかし、肺癌においてSTASの発生を促進する分子マーカーや腫瘍微小環境に関しては解明されていない。申請者らはこれまでに腫瘍免疫微小環境や上皮間葉転換と腫瘍細胞の浸潤性に着目して研究を行っており、腫瘍関連マクロファージの増加や上皮間葉転換がSTASの頻度を高める可能性を報告してきた。さらに、予備研究の結果から、MMP-7の発現がSTASの表面に特異的に認められることを見出し、英文雑誌のLung Cancer に掲載した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通り、研究は順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究では肺癌を対象にSTASの腫瘍集塊の腫瘍関連マクロファージの浸潤やMMPの発現の程度をsemi-AIのシステムで定量的に評価し、上皮間葉転換を間葉への転換の程度に応じて、epithelial, intermediateおよびmesenchymalの3つのフェノタイプに分類する。連続切片で作製した染色標本をデジタルパソロジー画像として、組織の3次元再構成を行い、STASにおける腫瘍関連マクロファージやMMP発現との相互関係、上皮間葉転換の分布を3次元的に解析し、、STAS発生の生物学的メカニズムを立体的な構築から明らかにする。腫瘍微小環境は単一のマーカーで染色して解析するのではなく、本研究ではマクロファージマーカー(CD68やCD163)とMMPを組み合わせて二重染色を行うことにより、STASにおける腫瘍関連マクロファージとMMPの発現の相互関係をより明確に解析することができる。
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Causes of Carryover |
多くの試薬を要する研究内容の一部が本年度の実施予定になったため。
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