2023 Fiscal Year Research-status Report
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23K06459
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
飯岡 英和 新潟大学, 医歯学系, 助教 (20425416)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | がん |
Outline of Annual Research Achievements |
Crumbs3(Crb3)は一回膜貫通型の膜タンパク質であり、上皮組織に特異的に発現し細胞極性を制御することで正常な上皮組織の構築に寄与する一方、上皮由来の悪性腫瘍においては発現が亢進する傾向が認められ、免疫不全マウスを用いた移植実験により、大腸腺癌細胞の転移を促進することを明らかにした。しかし、Crb3がどのように腫瘍転移を促進するのか不明であるため、本研究では3年計画でCrb3の制御するリン酸化シグナル経路を明らかにすることを目的とした。予備実験によりCrb3自身がリン酸化を受けている結果が得られたため、リン酸化修飾を受けることが予想される細胞内ドメインのスレオニン92(T92), チロシン93(Y93), セリン96(S96)をアラニンまたはフェニルアラニンに置換することで非リン酸化型とし、さらにアスパラギン酸、グルタミン酸に置換して疑似リン酸化型とした変異タンパク質をそれぞれCrb3ノックアウト大腸癌細胞株に発現させ注意深く比較したところ、疑似リン酸化型のCrb3タンパク質の発現が野生型や非リン酸化型よりも弱く、不安定化する現象がT92、Y93、S96に同様に見られた。以上の結果から、Crb3タンパク質の制御には細胞内ドメインのリン酸化状態に加え、アミノ酸配列によって形成される構造が重要な意味を持つと考えられた。このことはリン酸化自体の意義を変異タンパク質を用いて示すことが困難である可能性を示している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今年度は年度直前に所属研究室の教授がに退任し移動し、研究室の機器が使用できなくなったこと、年度末に自身が所属を移動したこと、さらに年度中に得られた実験の結果が複雑であったことから、当初の想定よりも進展が得られなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は、まず自身の研究室の立ち上げを迅速に進める。またCrb3自身のリン酸化の解析が難しい場合は得られた結果をもとに、下流のリン酸化制御に注目し解析を行う。これまでにCrb3が顆粒でERK1/2のリン酸化を制御することが判明しており、この点について引き続き詳細なメカニズムを明らかにする。
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