2023 Fiscal Year Research-status Report
Analysis of the relationship between breakpoint instability of specific gene rearrangements and tumor malignancy in salivary gland tumors
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23K06469
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
村瀬 貴幸 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 准教授 (40315875)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
稲垣 宏 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 教授 (30232507)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 分子病理 / 診断病理 / 遺伝子再構成 / 染色体転座 / 唾液腺腫瘍 / 免疫染色 / FISH法 / 次世代シーケンサー法 |
Outline of Annual Research Achievements |
申請者の関与した研究は、主に唾液腺悪性腫瘍に関する研究で、成果論文では病理検体を分子病理学的に解析し、腫瘍悪性度や予後との関係性について考察している。 ①Shimoda H, Teshima M, Murase T, et al. Prognostic scores for patients with salivary adenoid cystic carcinoma without lymph node metastasis. Oral Oncol. 2023;145:106491. ②Ueda K, Murase T, Kawakita D, et al. The Landscape of MYB/MYBL1- and Peri-MYB/MYBL1-Associated Rearrangements in Adenoid Cystic Carcinoma. Mod Pathol. 2023;36:100274. ③Murase T, Nakano S, Sakane T, et al. Thymic Mucoepidermoid Carcinoma: A Clinicopathologic and Molecular Study. Am J Surg Pathol. 2022;46:1160-1169. ④Murase T, Ishibashi K, Okumura Y, et al. Pleomorphic adenoma: detection of PLAG1 rearrangement-positive tumor components using whole-slide fluorescence in situ hybridization. Hum Pathol. 2022;120:26-34. ⑤Nakano S, Okumura Y, Murase T, et al. Salivary mucoepidermoid carcinoma: histological variants, grading systems, CRTC1/3-MAML2 fusions, and clinicopathological features. Histopathology. 2022;80:729-735. ⑥Morita N, Murase T, Ueda K, et al. Pathological evaluation of tumor grade for salivary adenoid cystic carcinoma: A proposal of an objective grading system. Cancer Sci. 2021;112:1184-1195. ⑦Iwaki S, Kawakita D, Murase T, et al. Comprehensive genomic profiling of salivary gland carcinoma: Analysis of the Center for Cancer Genomics and Advanced Therapeutics database in Japan. Int J Cancer. 2024 Apr 30. doi:10.1002/ijc.34972. Epub. PMID: 38686510.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請者の研究室では、200例以上の腺様嚢胞癌のMYB/MYBL1-NFIB遺伝子、200例以上の粘表皮癌のCRTC1/3-MAML2遺伝子の再構成の有無が明らかにされ、約100例の多形腺腫においてもPLAG1-X或いはHMGA2-X遺伝子の再構成の有無の確認を行いつつある。腺様嚢胞癌と粘表皮癌の各々50症例においては、特異的な遺伝子再構成の切断点の5、10メガベース上流・下流にプローブを設定して、切断点の不安定性を解析した結果が得られているため、それらのデータを踏まえて、蒐集された全唾液腺症例へと研究を本格化させた。蛍光免疫染色に関しては唾液腺悪性腫瘍で筋上皮系マーカーと腺上皮系マーカーの染色を行い、それぞれの蛍光免疫染色が問題なく実施できるかを確認した。Sequential FICTION-WSI法のシグナル解析により腫瘍細胞が正確に同定できるか確認後、3重蛍光(PD-L1(赤)、PD-L2(緑)、CEP9(アクア))のFISH解析を行い、それぞれの腫瘍の腫瘍細胞において遺伝子異常の分布状況を検索した。前述の技術により蛍光免疫染色で細胞形態の多様性を分類、腫瘍細胞単位で遺伝子異常を解析し、腫瘍内分布状況を分析した。腫瘍周囲の微小環境に関してもリンパ球系マーカー、免疫チェックポイント系マーカー、細胞内シグナル伝達系マーカー、細胞周期制御マーカーの抗体で蛍光免疫染色を行い、免疫担当細胞に発現する抗原を細胞単位で解析した。 研究をより効率的に進めるための方法として、1枚のFFPE標本にて細胞単位のFISH情報と蛍光免疫染色情報とを統合、比較できるソフトウェアを開発したが、データ容量の過多から多数症例への応用が難しい場合、症例毎にソフトウェアの最適化を予定している。さらに、データ容量過多が避けられない場合においては、組織アレイ・スライドを導入し、多数症例に対応する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
申請者の研究室では、200例以上の腺様嚢胞癌のMYB/MYBL1-NFIB遺伝子、200例以上の粘表皮癌のCRTC1/3-MAML2遺伝子の再構成の有無が明らかにされ、約100例の多形腺腫においてもPLAG1-X或いはHMGA2-X遺伝子の再構成の有無の確認を行いつつあり、蒐集された全唾液腺症例へと研究を本格化させているが、更なる症例の蒐集を目指す。 次世代シーケンサー iSeq100(イルミナ社)による検体作製や解析ソフトウェアにおいては既に設定が完了しているが、検体作製に関しては当大学血液内科の専門家とのカンファレンスを、ソフトウェア解析に関しては京都大学のジェノモン・システムの利用を予定し、実験結果の精度向上を図る。症例毎に遺伝子ビッグデータと組織形態ビッグデータを比較できるソフトウェアの開発は完成しているが、多数症例に応用できないため、症例毎にソフトウェアを最適化させることを予定している。 1枚のFFPE標本にて細胞単位のFISH情報と蛍光免疫染色情報とを統合、比較できるソフトウェアの開発は完了しているが、データ容量過多から多数症例への応用が難しい場合、症例毎にソフトウェアの最適化を予定している。さらに、データ容量過多が避けられない場合においては、組織アレイ・スライドを導入し、多数症例に対応する予定である。 分子病理診断への応用に関しても、特異的な遺伝子異常の確立されている唾液腺悪性腫瘍を対象としてvalidation testをする予定である。 本研究をさらに他の腫瘍に応用する。申請者の研究室には唾液腺悪性腫瘍(500例以上)に加え、胸腺上皮性腫瘍(200例以上)、多発性骨髄腫(200例以上)が蒐集されているので、それらの腫瘍の解析を念頭に置いている。
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Causes of Carryover |
(1):研究対象症例が予想以上に集塊できたため、それらの症例に対する遺伝子解析実験に充てられる物品費が増加した。 (2):同一切片使用の組織FISH法の複数回試行実験に充てられる物品費も(1)に比例して増加した。 状況(1)(2)を解消するため、次年度からは遺伝子解析実験や組織FISH法複数回試行実験の精度を向上させ、効率化を図る予定である。 実験物品としては、1次抗体、最適化蛍光2次抗体、再設計FISHプローブ、多重プローブとそれらに伴うキット試薬が必要と考えられ、購入を予定している。具体的には、現行の唾液腺腫瘍、造血器腫瘍、縦隔腫瘍に関連する抗体・プローブ・関連試薬に加え、PD-L1遺伝子やIgH遺伝子の状態を解析するプローブ・関連試薬である。
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Remarks |
Murase T, et al. Thymic Mucoepidermoid Carcinoma: A Clinicopathologic and Molecular Study. Am J Surg Pathol. 2022 Aug 1;46(8):1160-1169. doi: 10.1097/PAS.0000000000001886. PMID: 35319525.
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Research Products
(15 results)
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[Journal Article] Prognostic scores for patients with salivary adenoid cystic carcinoma without lymph node metastasis.2023
Author(s)
Shimoda H, Teshima M, Murase T, Nagao T, Kusafuka K, Nakaguro M, Urano M, Taguchi KI, Yamamoto H, Kano S, Tada Y, Tsukahara K, Okami K, Onitsuka T, Fujimoto Y, Kawakita D, Sakurai K, Hanai N, Nagao T, Kawata R, Hato N, Nibu KI, Inagaki H.
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Journal Title
Oral Oncol. 2023 Oct;145:106491.
Volume: 145
Pages: 106491
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] The Landscape of MYB/MYBL1- and Peri-MYB/MYBL1-Associated Rearrangements in Adenoid Cystic Carcinoma.2023
Author(s)
Ueda K, Murase T, Kawakita D, Nagao T, Kusafuka K, Nakaguro M, Urano M, Yamamoto H, Taguchi KI, Kano S, Tada Y, Tsukahara K, Okami K, Onitsuka T, Fujimoto Y, Sakurai K, Hanai N, Nagao T, Kawata R, Hato N, Nibu KI, Inagaki H.
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Journal Title
Mod Pathol. 2023 Oct;36(10):100274.
Volume: 36
Pages: 100274
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Importance of the Number and Location of Lymph Node Metastasis in Oropharyngeal Cancer.2023
Author(s)
Iida M, Murai T, Kuno M, Osumi K, Nakanishi-Imai M, Okazaki D, Murase T, Kawakita D, Iwasaki S, Inagaki H, Tomita N, Shibamoto Y, Hiwatashi A.
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Journal Title
In Vivo. 2023 Sep-Oct;37(5):2210-2218.
Volume: 37
Pages: 2210-2218
DOI
Peer Reviewed
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[Presentation] 唾液腺腺様嚢胞癌cN0/pN0症例における予後スコアの作成2023
Author(s)
下田 光, 手島 直則, 村瀬 貴幸, 長尾 俊孝, 草深 公秀, 中黒 匡人, 浦野 誠, 田口 健一, 山元 英崇, 加納 里志, 多田 雄一郎, 塚原 清彰, 大上 研二, 鬼塚 哲郎, 藤本 保志, 川北 大介, 櫻井 一生, 花井 信広, 長尾 徹, 河田 了, 羽藤 直人, 丹生 健一, 稲垣 宏.
Organizer
(一社)日本頭頸部癌学会
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[Presentation] 唾液腺腺様嚢胞癌におけるMYB/MYBL1遺伝子関連異常の検索2023
Author(s)
上田 佳緒璃, 村瀬 貴幸, 川北 大介, 長尾 俊孝, 草深 公秀, 中黒 匡人, 浦野 誠, 山元 英崇, 田口 健一, 加納 里志, 多田 雄一郎, 塚原 清彰, 大上 研二, 鬼塚 哲郎, 藤本 保志, 櫻井 一生, 花井 信広, 長尾 徹, 河田 了, 羽藤 直人, 丹生 健一, 稲垣 宏.
Organizer
(一社)日本頭頸部癌学会
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[Presentation] 褐色細胞腫クリーゼの亜急性期に副腎腫瘍摘出によって循環動態が改善した1例2023
Author(s)
加藤 春佳, 青谷 大介, 位田 敬明, 浜田 けい子, 竹田 勝志, 伊藤 隆彦, 服部 麗, 小山 博之, 中野 さつき, 太田 裕也, 河田 侑, 村瀬 貴幸, 安井 孝周, 瀬尾 由広, 田中 智洋.
Organizer
(一社)日本内分泌学会
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