2023 Fiscal Year Research-status Report
Dynamic behavior and function of the selective-autophagy substrate p62
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23K06496
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
蕨 栄治 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (70396612)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | p62 / シャトリング / オートファジー / 腎疾患 / ポドサイト |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、急速に解明が進んだ細胞内タンパク質分解系であるオートファジーにおいて、p62はアダプター分子として選択的基質となり、種々の病態で観察される異常タンパク質凝集体の形成に決定的な役割を持つことが知られている。研究代表者はこれまでに、p62が核と細胞質間をシャトリングしていることに着目し、p62の発現が核あるいは細胞質に限定する変異マウスを作製することによって、p62の局在異常が致死的な腎機能障害や肥満症を引き起こすことを新たに見出した。本研究はこの現象の分子基盤を解明し、p62の機能に対して細胞内における「動的挙動」という独自の視点から解析を加える。 今年度は野生型およびdNES-p62発現マウスから、レーザーマイクロダイセクションにより糸球体を単離して、発現タンパク質を質量解析、DIA法により網羅的に比較解析した。現在解析を続けているが、dNES-p62で顕著に発現が上昇しているタンパク質が複数見つかり、それらの中に凝集体の構成要素が含まれていることが予想される。 また、dNLS2-p62マウスについても解析を進め、体重増加曲線、内臓脂肪量、血液生化学パラメーターなど、肥満症に関連した基礎的データを得ることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
マウスの繁殖を含め予定していた実験が計画通りに進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
dNES-p62マウスについては、質量解析の結果同定されたタンパク質について、その局在や発現量を実際に検証する。 具体的には、個々の抗体を用いて、免疫染色、ウエスタンブロットにより比較解析を行う。 dNLS-p62マウスについては、摂餌量を精密に測定する。過食が認められた場合には、ペアフィーディングにより、過食ー肥満を証明する。また、脂肪細胞の分化亢進にp62が関与していることが報告されているため、胎児由来線維芽細胞、脂肪前駆細胞を各系統のマウスより調整し、脂肪細胞への分化の程度を比較して肥満症発症への関与の有無を調べる。
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Causes of Carryover |
年度末(2024年3月)に成果の一部をまとめた論文が受理される可能性があったため、出版にかかる費用が未使用となった。2024年度において同額を執行する見込みである。
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[Presentation] Nuclear export suppression of p62/Sqstm1 causes severe kidney failure in mice2023
Author(s)
BAOSHUO NING, Kawanishi Kunio, Kang Dedong, Mohammed Elsayed S. I., Tatsuno Rinna, Fuseya Sayaka, Usui Toshiaki, Morito Naoki, Yanagawa Toru, Mizuno Seiya, Takahashi Satoru, Warabi Eiji
Organizer
第96回日本生化学会大会