2023 Fiscal Year Research-status Report
細菌刺激によるプロテアソームを介したプレセプシン産生機序の解明
Project/Area Number |
23K06534
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Research Institution | Kobe Tokiwa University |
Principal Investigator |
溝越 祐志 神戸常盤大学, 保健科学部, 講師 (50736163)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
澤村 暢 神戸常盤大学, 保健科学部, 講師 (20709042)
鈴木 高史 神戸常盤大学, 保健科学部, 教授 (70305530)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | プレセプシン / 敗血症 / プロテアソーム / エンドサイトーシス / 免疫応答 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は「プレセプシン」の産生機序および新規 CD14 細胞内 trafficking 経路の解明を目的とし、大きく以下3つの項目の遂行を目標とする。 1)プレセプシン産生に関わる細胞内因子を特定 - プレセプシン前駆体であるCD14切断機構の特定 -2)CD14分子の細胞内 trafficking 経路の詳細の解明 - プレセプシン前駆体であるCD14がどの経路で細胞内に取り込まれ、CD14切断細胞内因子に至るか - 3)プレセプシン産生におけるCD14分子細胞内 traffickingの意義 初年度はプレセプシン産生機序の解明の一つとして、1)プレセプシン前駆体であるCD14切断機構の特定を行った。阻害剤を用いた検討により、マクロファージ内においては、既に報告のある、貪食の過程を経たリソソーム内酵素の一つであるエラスターゼにおけるCD14の切断の機構が関与しないことを明らかとした。代わりに、マクロファージではプロテアソームがプレセプシン産生に関与することを示唆する結果を得た。 さらに、プロテアソームを構成するプロテアーゼ活性を持つサブユニットのうち、サブユニットβ2, β2i, β5, β5i のいずれか、もしくは複数がプレセプシン産生に関わることが示唆された。これらのサブユニット遺伝子をノックアウトする実験系を構築させ検討を行ったが、遺伝子ノックアウトの影響で細胞死が生じ、正確な解析を進めることができなかったため、急遽遺伝子ノックダウンの系を用いて検討を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
初年度の目的であるプレセプシン産生に関わる因子の特定に関して、プロテアソームを特定するところまではおおむね順調に進んでいる。ただし、プロテアソーム内のプロテアーゼ活性を有するサブユニットのうち、プレセプシン産生に関わるサブユニットの絞り込みは完了したが、特定にはいたらなかった。当初、各サブユニット遺伝子のノックアウトを行う予定であったが、サブユニットノックアウトによる細胞死の亢進により、正確な解析を進めることができず、代替として遺伝子ノックダウン系を構築するのに時間がかかったことが原因である。
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Strategy for Future Research Activity |
プレセプシン産生に関わるプロテアソームサブユニットを特定するため、プロテアソームサブユニットβ2, β2i, β5, β5i 遺伝子ノックダウン実験を遂行する。同時に当初の計画に通り、各種阻害剤またはゲノム編集技術を用いて、CD14分子がプロテアソームに至る経路を特定する予定である。
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Causes of Carryover |
計画していた遺伝子ノックアウト実験において細胞死が多く正確な解析ができなかったため、予備実験の段階で遺伝子ノックダウン実験に変更する必要が出た。それに伴い、サンプル数を増やした本実験用の試薬購入を見送ったため、次年度使用額が生じた。次年度はノックダウン実験の費用及び、当初計画した物品購入を合わせ、研究の遂行を行う予定である。
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