2023 Fiscal Year Research-status Report
肺常在性記憶CD8+ T細胞は、次世代型クリプトコックス症ワクチンの開発に有用か?
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23K06536
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Research Institution | National Institute of Infectious Diseases |
Principal Investigator |
上野 圭吾 国立感染症研究所, 真菌部, 主任研究官 (10550220)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 肺常在性記憶CD8 T細胞 / 経鼻弱毒生ワクチン / クリプトコックス症 |
Outline of Annual Research Achievements |
クリプトコックス症の原因菌は, Cryptococcus neoformansとCryptococcus gattiiである. 幅広い菌種に有効なワクチン・CD4 T細胞が欠乏するエイズ患者でも効果を発揮するワクチンが求められている. 今期の研究では, 両方の感染を抑制する新しい経鼻弱毒生ワクチンを2種類開発した. そのうちの1つは, 病原性がほぼ完全に消失しており, Rag-1 KOマウスを殺傷しないことが分かった. 経鼻弱毒生ワクチンは, 肺常在性記憶CD4 T細胞=lung CD4 TRMに加えて, 肺常在性記憶CD8 T細胞=lung CD8 TRMを誘導した. lung CD8 TRMは, 抗原再刺激に応答しIFNγを産生した. 感染14日目には, ワクチン群でlung CD8 TRMやcDC1が増加し, 肉芽腫形成も見られた. ワクチン群で誘導されたこれらの免疫応答が, 感染防御を担ったと考えられた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
経鼻弱毒生ワクチンを開発し, 免疫不全宿主における副作用も検証できた. lung CD8 TRMの性状も明らかになった.
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Strategy for Future Research Activity |
lung CD4 TRM非存在下で, lung CD8 TRMが単独で抗原を認識するか検証する. 抗原タンパク質についても, 複数準備している. CD4 T細胞やCD8 T細胞の枯渇がワクチン作用に影響するか検証し, lung CD8 TRMの感染防御能を明らかにする.
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Causes of Carryover |
今年度は, 物品費・旅費・人件費の支出が想定より少なかったため. 次年度使用額が生じた. 研究の進展に伴い, 各種必要経費が増加する可能性がある. 物品購入費, 成果報告のための学会参加費・旅費などへの充当を予定している.
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