2023 Fiscal Year Research-status Report
Molecular basis of hantaviral immunopathogenicity
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23K06569
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
清水 健太 群馬大学, 大学院医学系研究科, 講師 (20466840)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 免疫病原性 |
Outline of Annual Research Achievements |
ハンタウイルスは病原性の高い出血熱ウイルスのひとつで、ヒトに腎症候性出血熱およびハンタウイルス肺症候群を起こす。その病態には、宿主の免疫応答が病気を引き起こす、免疫病原性が関与するとされているが、不明な点が多い。研究代表者は、腎症候性出血熱のマウスモデルを開発し、ウイルス糖蛋白質Gnの1つのアミノ酸の違いで病原性に違いが生じている強毒株と弱毒株を用いて、病原性発現機構の解析を行ってきた。これまでに、CD8陽性T細胞が病態発現に関与することが明らかとなっている。また、発症時に腎臓において、ケモカインCXCL9が顕著に増加することも明らかとなっている。CXCL9はCD8陽性T細胞を遊走・活性化させる作用を持つことから、病態発現に重要な役割をしている可能性がある。そこで、感染マウスの腎臓を材料として、CXCL9の発現誘導に重要なinterferon gamma (IFN-γ)に関わる遺伝子の発現量を比較した。その結果、IFN-γの産生やIFN-γに対する応答に関わる複数の遺伝子の発現が強毒株感染マウスで増加していることが明らかとなった。特に、インターロイキン12のベータサブユニットの遺伝子であるIl12bの発現量の増加が顕著であった。Il12bはナチュラルキラー細胞の活性化などにも関わる遺伝子である。そこで、ナチュラルキラー細胞に関わる遺伝子の発現量を比較した。その結果、ナチュラルキラー細胞の遊走、活性化、細胞傷害性などに関わる複数の遺伝子の発現が強毒株で増加していることが明らかとなった。これらのことから、ナチュラルキラー細胞が腎臓に引き寄せられ活性化し、IFN-γを産生し、それに続くCXCL9の産生やCD8陽性T細胞の遊走・活性化を起こしている可能性が考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナウイルス感染症に関連する研究を継続的に実施しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
実施予定であった内容を並行して実施し、遅れを取り戻すよう努める。
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Causes of Carryover |
コロナウイルス感染症に関連する研究を継続的に実施しているため、次年度使用額が生じた。実施予定であった内容を並行して実施し、遅れを取り戻すよう努める。
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