2023 Fiscal Year Research-status Report
Regulation of autoimmune diseases by PTPN22 phosphatase
Project/Area Number |
23K06589
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
斉藤 隆 国立研究開発法人理化学研究所, 生命医科学研究センター, 客員主管研究員 (50205655)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | フォスファターゼ / TCRミクロクラスター / T細胞活性化 / 活性化抑制 / 自己免疫疾患 |
Outline of Annual Research Achievements |
①PTPN22欠損 T細胞の機能解析: T細胞におけるPTPN22の機能を解析するために、T細胞特異的にPTPN22を欠損させたマウス(tcKO)を、PTPN22欠損マウスとCD4-Cre Tgを掛け合わせて作製した。PTPN22-tcKO由来のT細胞を抗CD3/CD28抗体で刺激し、産生されるサイトカインの解析を行った。T細胞が産生するサイトカインIL-2やIFN-gおよびケモカインCcl3, Ccl4などが増強していた。これはPTPN22がTCRシグナルを抑制していることを示唆している。 ②T細胞活性化におけるPTPN22の動態解析:T細胞の抗原刺激におけるTCRミクロクラスターの形成と種々の下流シグナル分子(Lck, ZAP70, SLP76, PKCq, などのリクルートを、これまで解析してきたのと同様に、抗原/MHCを含むプレイナー膜上でのT細胞活性化に伴う分子の動態をTIRF顕微鏡を用いたイメージング解析、とりわけここでは PTPN22, 変異PTPN22, Cskの解析を行った。PTPN22-GFP, PTPN22(R620W)-GFP, Csk-GFPの動態を解析すると、T細胞の抗原刺激に伴って、PTPN22はTCRミクロクラスターに集積するが、TCRミクロクラスターに集積することが既知の他の分子(TCR, ZAP70, SLP76)に比べてリクルートが遅いことが判明した。このことは、T細胞活性化のPTPN22を介する負のフィードバック抑制が遅れて制御されていることを示唆している。CskもTCRミクロクラスターに集積することがわかり、カイネティック解析からCskはPTPN22のように遅れてリクルートされず、これまでPTPN22がCskをリクルートすると考えられてきたが、逆にまずCakがTCR-MCに集積し、PTPN22をリクルートすると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
T細胞活性化におけるPTPN22とCskのイメージング解析が順調に進み、これまで考えられてきたモデルとは異なる活性化制御機構が示唆されている。変異PTPN22の解析を進めて本来の自己免疫疾患制御との関連を解析できると思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
自己免疫疾患の制御に関与する変異PTPN22の活性化に伴う動態の解析から、活性化抑制機能がどのように抑制されてしまうか、を解析できると思われる。また、そのメカニズムを明らかにするために、残り時間で、PTPN22に会合する分子の解析を進めてゆく。
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Causes of Carryover |
初年度のみ300万円と高額で次年度以降は 各100万円なので、次年度に消耗品費をすやすために一部繰り越す形とした。
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