2023 Fiscal Year Research-status Report
造血器腫瘍症例におけるSARS-CoV-2 T細胞応答の検証
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23K06604
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
清水 佳奈子 国立研究開発法人理化学研究所, 生命医科学研究センター, 上級研究員 (20391980)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤井 眞一郎 国立研究開発法人理化学研究所, 生命医科学研究センター, チームリーダー (10392094)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 感染症 / ワクチン / CD8T細胞 / メモリーT細胞 / 免疫応答 |
Outline of Annual Research Achievements |
COVID-19の感染免疫においてCD8T細胞の意義に関して当初不明であったが、臨床解析が進むにつれ、その重要性が明らかになりつつある。造血器腫瘍症例ではCOVID-19においてはたとえ抗体の応答がなくてもT細胞が抗ウイルス防御を補完すること報告されている。そこで本研究は、日本人の60%が陽性であるHLA-A24に着目し、本研究ではHLA-A24陽性かつCOVID-19において重症化高リスク群である造血器腫瘍症例においてSARS-CoV-2に対するT細胞免疫応答を検証し、将来的にワクチンの有効性判定、重症化リスク予測診断のためのT細胞免疫解析システムの確立を目的とする。これまでの研究でCOVID-19パンデミック以前のヒト検体の検証で、ヒトコロナウイルス間で相同性が高く、HLA-A*24:02に対して親和性の高いSpike 蛋白S2領域の交差反応性QYIペプチドに対するCD8T細胞応答が健常人に比べ造血器腫瘍症例では極端に低下していた。ワクチンの普及した現状においてQYIペプチドに対する反応性およびHLA-A*24:02に対して親和性の高いが、非交差反応性、SARS-CoV-2特異的NYNYペプチドに着目し、これらのペプチド特異的なT細胞応答を検証する。本年度はHLA-A24陽性健常人のワクチン前後10例、ブレークスルー感染症例 20例および造血器腫瘍症例の非感染者およびブレークスルー感染者各16例について①交差反応性エピトープ (QYIペプチド)および②SARS-COV-2特異的エピトープ(NYNYペプチド)に対するCD8T細胞の応答性を検証した。さらに、QYIペプチド対するCD8T細胞のTCRレパトア解析を行い、TCR クローニングTCR 機能的結合性の解析を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまで培ってきた一連の解析システムがあるため、順調にサンプルの解析が進んでいる状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
継続して臨床検体の解析を進めるのと同時に、健常人、造血器腫瘍症例、ワクチン前後、ブレースルー感染後のTCRレパトアの変化やTCR機能的結合性の情報を整理していく予定である。
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Research Products
(1 results)