2023 Fiscal Year Research-status Report
シングルセルエピゲノム解析による膵臓がん悪性化に関与する非翻訳長鎖RNAの同定
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23K06633
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
新城 恵子 名古屋大学, 医学系研究科, 講師 (40641618)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 長鎖非翻訳RNA / 膵臓がん |
Outline of Annual Research Achievements |
膵臓がんは難治性のがんであり、いまだ診断後の長期生存は極めて難しい。したがって膵臓がんの悪性化機序の解明、さらにその鍵となる分子を標的とした新規治療法の開発が求められている。近年の膵臓がんのシングルセル解析から、組織内の組織不均一性が明らかとなってきた。さらに予想以上にタンパク質コード遺伝子領域以外から転写される非翻訳RNAの発現の多様性と重要性が明らかになりつつある。従って膵臓がんの組織不均一性の機序解明には非翻訳RNA、とりわけ長鎖非翻訳RNA (lncRNA)に注目した悪性化分子機序の解明が喫緊の課題である。 本研究では膵臓がん悪性化に寄与するlncRNAを同定する。同定したlncRNAは詳細な機能解析を行い、膵臓がんの新たな治療標的としての可能性を評価する。 本年度は膵臓がんマウスモデルの膵臓を用いたscATAC-seqとscRNA-seqを実施し、候補遺伝子の同定を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
KPCマウスを用いて膵臓がん悪性化に関わるlncRNAの同定を行うため、scATAC-seqとscRNA-seqを実施した。 悪性化に関わるlncRNAを複数同定した。このうち1個については、ヒト膵臓がん細胞株を用いて発現や局在の確認を行った。 同時に、がん関連線維芽細胞における重要な遺伝子の同定をすることができたため、この機能解析も行った。
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Strategy for Future Research Activity |
悪性化に関わるlncRNAの機能解析を進める。候補lncRNAの発現誘導条件や局在、結合タンパク質の同定などを予定している。 がん関連線維芽細胞における重要な遺伝子についても機能解析を進める。
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Causes of Carryover |
実験を工夫することで、今年度は支出を抑えることができた。次年度以降の実験に用いる予定である。
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[Book] 胆と膵2023
Author(s)
新城恵子、近藤豊
Total Pages
101
Publisher
医学図書出版
ISBN
978-4-86517-540-0