2023 Fiscal Year Research-status Report
制限増殖型アデノウイルスを用いた超低侵襲内視鏡治療の開発
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23K06650
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
枝村 康平 岡山大学, 大学病院, 助教 (90535816)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
定平 卓也 岡山大学, 大学病院, 助教 (20733322)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | 遺伝子治療 |
Outline of Annual Research Achievements |
筋層浸潤性膀胱癌については未だ根治性を期待できる内視鏡治療は存在せず、最終的に膀胱全摘除術を余儀なくされる症例も少なくない。癌標的医療の研究開発においては近年、新たな薬剤創製、特に臨床効果の検証と効果増強法の解明が中心課題となっている。我々は、「癌治療遺伝子REIC/Dkk-3 を用いたin-situ 遺伝子治療」の臨床研究において、腫抗腫瘍効果を確認し、さらに「癌細胞の選択的アポトーシス」の誘導を実証している。本研究は、強力な遺伝子発現技術を REIC 遺伝子治療に組み込み、「膀胱癌」での有効性を検証し、さらなる抗腫瘍効果が期待できる次世代遺伝子局所治療の基盤確立を目指す。当該年度においては、組織内圧を可及的に一定に保ちつつ、治療薬を均一に注入できる画期的な薬剤投与技術を用いてOncolytic Adを投与するための予備実験を行った。マウス癌腫瘍モデルに対して当該注入技術を用いた場合、均一に薬液を浸透させ、薬効を最大限に発揮できる可能性を見出した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
癌組織内に試験薬を浸透・拡散させる為の投与システムについての研究を実施した。研究はおおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
組織内圧を可及的に一定に保ちつつ、治療薬を均一に注入できる画期的な薬剤投与技術を開発し、Oncolytic Adを投与するための予備実験を行う予定である。膀胱壁(筋層)奥深くまで根治的に浸透させることを想定した投与法の最適化を行う。
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Causes of Carryover |
局所遺伝子治療の効果の最大化を念頭に、薬剤局所投与方法に係る研究を優先して遂行したため試薬等を含めた消耗品を購入するための出費が少なく、次年度に繰り越しが生じた。
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