2023 Fiscal Year Research-status Report
モノクローナル抗体を用いた自然免疫の賦活化による新規抗腫瘍治療法の開発
Project/Area Number |
23K06657
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Research Institution | Aichi Medical University |
Principal Investigator |
荒井 潤 愛知医科大学, 医学部, 准教授 (30766176)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | NK細胞 / 抗腫瘍免疫 / 自然免疫 / B7H6 / NKp30 |
Outline of Annual Research Achievements |
B7-H6分子は正常の細胞には発現しない一方で、ウイルス感染や癌化などのストレスによって発現し、腫瘍細胞膜に発現する膜型B7-H6の増加が抗腫瘍効果発揮のために重要なことが急性骨髄性白血病(AML)をはじめ複数の癌腫で示されている。本研究の目的は、膜型B7-H6を増加させる新規の抗腫瘍治療法を開発することである。 最初に複数のヒト悪性腫瘍細胞株を使用して膜型B7-H6の発現量を計測し、悪性黒色腫、AML、リンパ腫など複数の細胞株における発現を確認できた。マウスの悪性腫瘍細胞株においてB7-H6は発現を認めないため、次年度以降のマウス実験の準備としてマウス悪性黒色腫細胞株(B16F10)とリンパ腫細胞株(RMA)に対しB7-H6を強制発現させたB16F10/B7H6、RMA/B7H6細胞を作成した。 生後6-8週のC57BL/6マウスに対し、尾静脈からB16F10/B7H6、RMA/B7H6を注射したところ2週間後におのおの、多発転移性肺腫瘍、脾腫の出現が確認でき、今後モノクローナル抗体の効果判定に有効なモデルの作成に成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
次年度のマウス実験準備としてマウス悪性黒色腫細胞株(B16F10)とリンパ腫細胞株(RMA)に対しB7-H6を強制発現させたB16F10/B7H6、RMA/B7H6細胞を作成でき、さらに今後モノクローナル抗体の効果判定に有効なマウスモデルの作成に成功しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
現在Supercompetent cells、ヒトB7-H6plasmidを用いてtransformation実験を行いB7-H6の抽出を行っているところである。このB7-H6をもとに今後切断箇所に特異的に結合し膜型B7-H6の切断抑止を図るモノクローナル抗体の作成を行っていく。
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Causes of Carryover |
研究に使用する物品を他の研究費で購入できたため。
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