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2023 Fiscal Year Research-status Report

マウスにおける染色体異常誘導系を用いた大腸がん進展に関わるゲノム構造異常の解析

Research Project

Project/Area Number 23K06664
Research InstitutionJapanese Foundation for Cancer Research

Principal Investigator

高野 洋志  公益財団法人がん研究会, がん研究所 細胞生物部, 主任研究員 (00241555)

Project Period (FY) 2023-04-01 – 2028-03-31
Keywords大腸がん / モデルマウス / 染色体構造異常 / AIDシステム / MpsI / 微小核 / クロモスリプシス
Outline of Annual Research Achievements

大腸がんの進展に関わるゲノム構造の異常を明らかにすることを目的として、AID技術により染色体異常を誘導する新たな実験系を開発し、大腸がんモデルマウスに導入する。これにより、CNAをはじめとするゲノム構造の異常が実際にがんの進展に寄与することを実証し、さらに、同定されたゲノム異常を詳細に解析することにより、大腸がん進展の鍵となる遺伝子を同定する。
本年度は、AID法をマウス生体においてコンディショナルかつ組織特異的に行うために、マウス受精卵でのゲノム編集により、ROSA26-CAG-loxP-stop-loxP-OsTIRIノックインマウスを作製した。このマウスから胎児線維芽細胞を作製し、Cre発現プラスミドとmAIDタグ標識したGFP発現プラスミドをトランスフェクションし、さらにオーキシン誘導体(5-Ph-IAA)処理し蛍光顕微鏡下でタイムラプス撮影を行った。その結果、5-Ph-IAA処理処理群では1時間以内にGFPタンパクの消失が認められ、作製したマウスのOsTIRIが計画通り機能していることが確認された。これらのマウスを、CAG-Creマウスと交配することにより、全身で恒常的にOSTIRIを発現するCAG-OsTIRIマウスも作製した。さらに、AIDシステムを用いて染色体異常を誘導するために、マウス受精卵でのゲノム編集により、紡錘体チェックポイント分子のC末端にmAIDタグを付加したマウスを作製した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

マウス個体におけるAIDシステムに必須のCAG-LSL-OsTIRIマウスの作製に成功した。さらに本システムを用いて染色体異常を誘導するために、マウスMpsI遺伝子にmAIDタグを付加したマウスの作製に成功した。

Strategy for Future Research Activity

大腸がんモデルマウスであるLgr5CreERT2;APC580S/S;LSL-KrasG15D;TP53S/SにCAG-LSL-OsTIRIおよびMpsI-mAIDを交配により導入し、タモキシフェン投与により腫瘍形成を誘導しした後、5-Ph-IAAを投与してMpsIを一過性に分解することにより、微小核形成を介した染色体異常を誘導し、腫瘍数、腫瘍サイズ、腫瘍形成の時期、浸潤・転移の有無について詳細に解析する。これらの腫瘍について、病理組織学的解析ならびに幹細胞マーカー(Lgr5やOLFM4など)や増殖細胞のマーカー(PCNAなど)、分化細胞のマーカー(LysozymeやCK15など)の免疫染色、in situハイブリダイゼーションによる発現解析を行うことにより、個々の腫瘍の性格付けを行う。さらに、これらの腫瘍からレーザーマクロダイセクションによりDNAを抽出し、エクソンシーケンスならびに全ゲノムシーケンス解析によりCNAを検出し、ヒト大腸がんで明らかにされているCNAデータと比較検討することにより、がんの進展・悪性化に関わるゲノム領域を同定を目指す。

Causes of Carryover

初年度のため、当初の見積もりから差額が生じ、次年度に繰り越した。
翌年分として請求した助成金と合わせて、染色体再構成マウスの解析に充当していく。

URL: 

Published: 2024-12-25  

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