2023 Fiscal Year Research-status Report
患者由来オルガノイド再構成モデルによる播種細胞からの顕在性転移巣の発生機序の解明
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23K06675
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
長山 聡 京都大学, 医学研究科, 客員研究員 (70362499)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
八尾 良司 公益財団法人がん研究会, がん研究所 細胞生物部, 部長 (80291095)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | オルガノイド / 播種細胞 / 大腸癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
1) OLFM4陽性シングルセルからのオルガノイド再構成実験で行なった各タイムポイントでオルガノイドを回収、scRNA-seqを実施した。定法に従い、5つのクラスターに分類したところ、幹細胞、吸収上皮細胞、分泌系細胞など正常な大腸がん組織を構成する細胞集団に類似した集団に分類された。Trajectory解析では、幹細胞から吸収上皮細胞と分泌系細胞という2方向性の分化経路が確認された。 2) タイムポイント毎の比較解析により、オルガノイド再構成3日目に分泌系細胞集団が顕著に増加しており、特にDEFA5/6を発現するパネート様細胞が出現することが明らかになった。オルガノイドの免疫染色と3次元イメージングでは、パネート様細胞は、3日目に増加し、それ以降減少することが示された。 3) scRNA-seqでは、DEFA5は、KITおよびREG4とは異なる発現パターンを示しており、既存のニッチ細胞とや異なる特性細胞を有すると考えられた。 以上の結果から、OLFM4陽性細胞からのオルガノイドの再構成過程においては、その初期にパネート様細胞が出現することが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の研究計画に従い、概ね順調に研究が進んでいると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
マウス小腸では、陰窩底部に局在している Paneth 細胞が幹細胞の維持に重要な役割を果たしているが、同様に、癌幹細胞の維持に関与する癌組織でのニッチ細胞の存在を追究し、同定を試みる。さらに、幹細胞とニッチ細胞間での相互作用するシグナル伝達系(Wnt、Notch など)を明らかにしつつ、ニッチ細胞を ablation することで、オルガノイドの発育が抑制されるかどうかも検証する。具体的には、OLFM4 遺伝子座に RFP を導入したオルガノイドを用いて、scRNA-seq により同定されるニッチ細胞のマーカー遺伝子に、EGFP と inducible Caspase9 遺伝子をノックインし、低分子化合物(BB homodimer)により ablation できる実験系を作成する。タイムラプス顕微鏡下で、単一の OLFM4 陽性細胞から生じるオルガノイドを経時的に観察するとともに、ニッチ細胞の除去による変化を明らかにする。
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Causes of Carryover |
消耗品の使用が少なくてすみ、物品費を低く抑える事が出来たため、残額は次年度の物品費に充当することにした。
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